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「一番いいのはサラリーマン」堀紘一

2004/09/29公開 更新
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一番いいのはサラリーマン (扶桑社文庫)


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 堀紘一さんの本はマジメな本が多いのですが、この本は珍しく本音で書いている印象を持ちました。まず、サラリーマンは、もう30歳前にだいたい運命が決められているとしています。特に終身雇用の日本のサラリーマン制度では、長期にわたってその人を見ていくことになるのです。


 ただ、しっかり仕事をしてもらうために少なくても40歳前までは誰がトップに立っているのか、先頭集団にいるのかがわからないような仕掛けになっています。確かにこうした社内の競争はあるわけで、自分が成果を出し、会社も発展するのが一番いいのでしょうが、最終的には世渡りも大切な技術かもしれません。


・経営企画室長は、いってみれば社長の懐刀だから、社長が交代すればクビがすげ替えられてしまうポストなのである。だから、ギリギリまで社長の懐刀にはならない(p166)


 著者のアドバイスは、「お前の一回だけは聞いてやる」という人をつくることです。仮に自分の社内での立場が悪くなったときに、自分を守る保険のようなものなのです。堀紘一さんは34歳までは読売新聞社、三菱商事のサラリーマンだったわけで、サラリーマンとしては説得ある内容だと思います。
 

 リストラ、早期退職などいろいろある世の中ですが、自分の人生は、自分で自分にとってよい選択をしていきたいものです。


この本で私が共感した名言

・私だったら、次のように考える。まず第一に、ある程度の基幹人数を毎年100人なら100人定期採用する。その他は、途中入社などで調節していく(p53)


・転職の成功のコツは、自分の価値観は押し付けずに相手の価値観を受け入れ、方法論やアプローチの違いで勝負することである(p69)


・アメリカでは、よほどのエリートですごい条件が提示された場合は別にして、四十歳を過ぎたら転職しないのが原則である(p42)


一番いいのはサラリーマン (扶桑社文庫)
堀 紘一
扶桑社
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

1章 サラリーマンを取り巻く環境は、こう変わる
2章 残るべきか、辞めるべきか
3章 会社で生き残れる考え方に変えよう
4章 楽して差がつく仕事のコツ
5章 評価をよくする仕事のコツ



著者経歴

 堀紘一(ほり こういち)・・・ドリームインキュベータ代表取締役会長。1945年、兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、読売新聞経済部を経て、1973年から三菱商事に勤務。ハーバード・ビジネススクールでMBA with High Distinction(Baker Scholar)を取得後、ボストンコンサルティンググループで国内外の一流企業の経営戦略策定を支援する。1989年より同社代表取締役社長。2000年6月、ベンチャー企業の支援・コンサルティングを行なうドリームインキュベータを設立、代表取締役社長に就任


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