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「ごみを燃やす社会―ごみ焼却はなぜ危険か」山本節子

2004/09/30公開 更新
本のソムリエ
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ごみを燃やす社会―ごみ焼却はなぜ危険か

【私の評価】★☆☆☆☆(59点)


●私がこの本を手に取ったのは、先週の英会話クラスで、
 イギリス人の先生が
 「どうして、日本ではゴミを燃やすのか」
 と不思議そうに質問したのに、
 うまく回答できなかったからです。


 調べてみると、海外ではダイオキシンを発生させるごみ焼却炉は
 作ること自体難しいようです。


 言い換えれば、日本では規制がゆるいので
 作ることができるということでもあります。


 世界のごみ焼却炉の7割が日本にあるそうです。


・ごみ焼却が、非常に危険で汚く、
 非衛生的な処理方法であることは、
 焼却炉の周辺住民にさまざまな健康被害が多い
 という事実がよく物語っています。(p13)


●最近では、ニュースステーションで
 所沢の野菜について誤解をまねくような
 報道をして問題になりましたね。


 日本ではダイオキシンの規制強化に伴い、
 ごみ焼却炉の更新が計画されているようですが、
 著者の意見は、ごみ焼却炉がダイオキシンを作り、
 拡散させることに変わりはないので、
 ごみ焼却炉の存在自体反対というものです。


・海外先進国ではごみの埋立て処理が主流です。
 しかし埋め立てもまた非常に危険なことが、
 過去数十年にわたる多くの研究で
 明らかにされてきました。(p29)


●この本の残念なところは、
 あまりにデータが定量的でなく、断片的で
 客観的な議論になっていないことです。


 また、解決策として、燃やさない、埋め立てない、
 つまりリサイクルを推進するとしていますが、
 突然、リサイクルが完璧になるはずもなく、
 解決への実現可能な提案とは思えません。


●ただ、ゴミを燃やすとダイオキシンが発生して、
 煙突から拡散されている、
 という事実は理解しておきたいものです。


ごみを燃やす社会―ごみ焼却はなぜ危険か
山本 節子
築地書館 (2004/07)
売り上げランキング: 333,710
おすすめ度の平均: 5
5 大人の責任を自覚させてくれる本です。

【私の評価】★☆☆☆☆(59点)



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