「文明の衝突と21世紀の日本」サミュエル・P. ハンチントン

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文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■中国とイスラムが
 アメリカに挑戦するだろう、
 と書いてある一冊です。


 当たり前じゃないかと感じますが、
 驚くべきことは、この本が1998年、
 20年間に書かれたということでしょう。


 当時は湾岸戦争が終わり、
 第二次湾岸戦争に進んでいく前の
 時期になります。


 中国は脅威とはなっておらず、
 多くの企業が改革開放の中国に
 進出していた時期です。


・中華文明やイスラム社会は
 自分たちの経済力と軍事力を強化し、
 西欧に抵抗して、西欧との
 「バランス」をはかろうとする(p102)


■自分の価値観を押し付ける西欧と、
 力をつけてきた中国とイスラム世界が
 西欧とぶつかることとなる。


 それは、没落する覇権国家が
 勢力を伸ばそうとする新興国家と
 覇権戦争を行ってきたという
 歴史があるからです。


 日本を含めた周辺の諸国は、
 そのバランスの中で
 どちらと同盟を結ぶのか
 考えることになるのです。


・中核国家間の戦争は、
 文明間で世界的な勢力バランスが
 崩れたときに起こる可能性がある・・
 西欧文明の歴史は、新興勢力と
 没落する勢力のあいだの
 「覇権戦争」の歴史であった(p141)


■湾岸戦争は、地下資源をめぐる
 戦いだったと断言しているところも
 すごいですね。


 現実を冷徹に観察している
 人だと感じました。


 ハンチントンさん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・現在、国家をグループ分けする場合・・
 七つ(中国、日本、インド、イスラム、
 西欧、東方正教会、ラテンアメリカ)あるいは
 八つ(上記にアフリカ文明を加える)を
 数える世界の主要文明である(p96)


・主要な分裂線は、支配する文明としての
 西欧と、挑戦する文明としてのイスラム
 および中国とのあいだに引かれるだろうが、
 そこで重要な位置にいるのが、
 揺れる国家としての
 日本、ロシア、インドである(p50)


・中国は、150年間にわたって西欧の諸大国と
 日本に従属するという屈辱を味わってきたが、
 やはり経済成長をとげたことで、
 東アジアにおける覇権国としての
 歴史的な役割を再びになおうとしている(p5)


・中国の発展は、アメリカにとってより
 ぬきさしならぬ挑戦となる可能性がある・・
 経済問題、人権、チベット、台湾、南シナ海、
 兵器拡散などの問題をふくんでいる(p150)


・中国の勢力が強くなるにつれ、
 他の文明圏の国々、すなわちアメリカ、
 インド、ロシアなどがバランシングの
 勢力を強めるかもしれない(p141)


・1980年には、イスラム教徒は世界の総人口の
 およそ18%を占めると推定されていた・・
 2025年には世界の人口のほぼ30%を
 占めるかもしれないと推定されている(p28)


・イスラム教徒が暴力に頼りがちな原因の一つは・・
 中核国家が存在しないことにある。
 第二の原因は、イスラム国家の
 出生率の高さにかかわっている・・
 歴史的に見ても、この世代(15歳から24歳)の若者が
 人口の20%以上を占めると社会は不安定になり、
 暴力や紛争がエスカレートする傾向がある(p30)


・湾岸戦争は冷戦後に初めて起こった、
 自然資源をめぐる二つの文明間の戦争だった。
 世界最大の埋蔵原油がこの戦争にかかっていた。
 イスラム社会ではサウジアラビアなど
 西欧に近い政権と原油を武器とした反西欧政権の
 どちらが支配権を握るかの争いだった(p167)


・アフガン戦争は文明間の戦争になった。
 世界中のイスラム教徒がそう考え、
 団結してソ連に立ち向かった(p164)


・日本は、一貫としてバントワゴニングの戦略をとり、
 勢力のある大国と同盟を結んできた。
 第一次世界大戦の前には大英帝国と、
 1920年代と1930年代にはファシズムの強国と、
 そして第二次世界大戦後にはアメリカと
 同盟を結んだのである・・
 日本は、この二国(アメリカと中国)との関係を
 比較検討しようとするだろう(p52)


・一つの文明における中核国は、
 その文明圏の国々の秩序を、
 文明圏外の国がするよりも
 うまく維持できる(p89)


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■目次

二十一世紀における日本の選択―世界政治の再編成
孤独な超大国―パワーの新たな展開
文明の衝突―多極・多文明的な世界
文明の衝突―多極・多文化的な世界



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