「中国4.0 暴発する中華帝国」エドワード・ルトワック

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中国4.0 暴発する中華帝国 ((文春新書))

【私の評価】★★★★★(90点)


■アメリカ国家安全保障会議の元メンバーで
 国防アドバイザーであるルトワックさんの
 一冊です。


 戦略的視点から
 中国への対応について
 昨年出版されているものです。


 現在の中国は、
 軍事力と経済力を持ったことで、
 多くの国をコントロールできると
 勘違いしている、
 と分析しています。


・「金は力なり」という幻想を抱いた
 中国のリーダーたちは、もし北京が
 日本政府といざこざを起こしたとしても、
 腐敗した(つまり中国の金に目がくらんだ)
 日本の財界は自国の政治家に圧力をかけて
 中国側の要求に屈するはずだ、と
 勘違いしていた(p47)


■中国の思惑とは反対に、
 周辺諸国は中国の圧力に反発し、
 連携して対抗しようとしています。


 日本も国防力を強化しており、
 尖閣諸島への侵攻に対しては
 傍観することはないでしょう。


 さらに中国が巨大化すれば、
 ロシアさえも中国に脅威を感じ、
 こちら側につく可能性があります。


・中国に睨まれた小国を助けるために、
 他の大国が同盟を提供し始める・・
 要するに中国が大きくなればなるほど、
 それに対抗しようとする同盟も大きくなる(p43)


■誤解する中国には、
 誤解させないような
 明確な強い姿勢が必要とのこと。


 弱い相手は徹底的にイジめ、
 強い相手には下手に出る。
 それが国際社会の現実です。


 ルトワックさん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中国がこのまま成長拡大を続ければ、
 ロシアはどこかの時点で、自らアメリカや
 日本の側につく必要に迫られる公算が高い。
 ロシアは現在、シベリアをコントロールし、
 中央アジアも支配しているが、いずれ
 巨大になった中国に脅威を感じるようになる(p147)


・他国の島をとって基地を建設してしまうような
 中国に対抗するには、島を占拠されても、
 誰にも相談せずに迅速に奪還できる
 メカニズムが不可欠である。
 国家が領土を守るには、
 そういう覚悟が必要なのだ(p152)


・外務省も、中国を尖閣から追い出すための
 独自の計画をもたなければならない・・
 中国軍が、尖閣に突然、上陸したら、
 即座にEUに入管手続きを変更してもらい、
 ヨーロッパでの貨物の積み下ろしができないようにし、
 それを他国でも実行してもらってもよい(p171)


・党の腐敗に対してこれだけの攻撃を
 しかけようとしている点から見れば、
 習近平は非常に勇気があるか、もしくは
 単に軽率
であるかのいずれかだ(p70)


・習近平は中国共産党を改革しようとしているのだが、
 その向かう先には、党の崩壊が待ち受けている・・
 なぜ崩壊するのか?反腐敗運動が、党を動かす
 「エンジン」そのものを取り除いてしまう
 運動でもあるからだ・・共産党の「エンジン」と
 なったのは、マネー
であった(p118)


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■目次

序章 中国1・0―平和的台頭
第1章 中国2・0―対外強硬路線
第2章 中国3・0―選択的攻撃
第3章 なぜ国家は戦略を誤るのか?―G2論の破綻
第4章 独裁者、習近平の真実―パラメータと変数
第5章 中国軍が尖閣に上陸したら?―封じ込め政策
第6章 ルトワック戦略論のキーワード


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