「大人もぞっとする初版『グリム童話』―ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界』」由良 弥生

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大人もぞっとする初版『グリム童話』―ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界 (王様文庫)

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■シンデレラって、グリム童話なんだ・・
 と思って手にした一冊です。


 グリム童話とは、18世紀に
 民間伝承を研究していたグリム兄弟が
 ドイツの民話を収集したもの。


 グリム童話とは研究の成果としての
 民話集だったのですね。


・『赤ずきん』の話はフランスの口承民話が
 原話だといわれています・・
 この話では、なんとおばあさんが
 百姓娘に食べられてしまうのです・・
 百姓娘は、機転をきかせて間一髪で
 狼から逃げ出せるのです(p244)


■グリム童話が多くの人に
 読まれるようになって、
 批判を言う人が増えてきます。


 グリム童話は、そうした批判を
 織り込みながらだんだんと
 変わっていきました。


 たとえば、「ヘンゼルとグレーテル」を
 森に捨てたのは、継母(けいぼ)ではなく、
 実母だったのです。


 中世には、食い扶持を減らすために、
 子どもを森に捨てることが
 あったのですね。


・「ヘンゼルとグレーテル」は、・・・
 それまで実母とされていた
 ヘンゼルとグレーテルの母親が、
 第四版以降は継母とされたのです・・
 実の母が子どもたちを森に捨てようと
 画策する
初期の物語・・(p47)


■世の中はだんだん賢く、
 豊かになってきているのだな、
 と思いました。


 今の時代に生きていることに
 感謝したくなりました。


 由良さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・ヘンゼルとグレーテルが森へ
 捨てられたのはどうしてか。
 それは飢饉のためです・・
 一家そろって飢え死にするぐらいなら、
 食い扶持を減らしたほうがいい(p47)


・親の手に負えない娘を最終的に罰してくれるのが
 「トゥルーデおばさん」なのです。
 魔女は、犠牲者を館に引き込み、
 恐怖のどん底に突き落としたかと思うと、
 あっさり命脈を断つ(p83)


・「わがままな子ども」・・
 キリスト教においては、親の言うことを
 聞かない子どももまた石殺しにせよ

 という掟がありました。(p150)


・宗教改革で有名なマルティン・ルター
 (1483~1546)もまた、
 「反抗する子どもは裁判にかけて殺すべきだ」
 とうい凄まじい書簡を残しています(p151)


・『灰かぶり(シンデレラ)』・・
 Vairと呼ばれた材質の皮のことを、
 ガラス(Verre)という言葉と
 間違えてしまったのだ
 という説があります(p192)


・「ガチョウ番の娘」・・「母上が悲しむ」
 と言っていたのは、娘への同情ではなく、
 「そんな人の言うなりの姿を母上が
  ご覧になったら、母上は情けなくて
  胸が張り裂けてしまうだろう」
 という叱咤の言葉だったのだ(p266)


【私の評価】★★★☆☆(75点)



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■目次

1 ヘンゼルとグレーテル
2 トゥルーデおばさん
3 長靴をはいた猫
4 わがままな子ども
5 灰かぶり(シンデレラ)
6 千匹皮
7 赤ずきん
8 ガチョウ番の娘
9 兄と妹




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