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「ユダヤ人の発想―不確実性時代を生き抜く条件」マーヴィン・トケイヤー

2006/05/08公開 更新
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ユダヤ人の発想―不確実性時代を生き抜く条件


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

●30年も前の著作ですが、
 当時、高度成長を続ける日本に対し、
 新たな課題、つまり
 個人の自立を促しているところが
 先見の明があると感じました。


 つまり日本の教育は詰め込み教育であり、
 人を育てる教育になっていない。
 逆に人をテストで振り分けることで
 単なる計算や暗記のできる人を育てて
 いるということです。


 ユダヤ人の目から見ると、
 こうした教育で国家を支える人を
 育てることができるのか
 疑問なのでしょう。


・今日の日本の受験戦争と呼ばれている教育は、小学校から大学まで与えられたものに合わせる教育に終始しており、「私」が不在になっている。「私」が不在になったところに理想はない。・・・理想を持った人間は、自分が挫折しても、理想が挫折したのではないことを知っている。(p44)


●日本人の教育に弱さを見出すのも、
 著者が日本で生活したことのある
 ユダヤ人だからでしょう。


 確かに日本は豊かになりましたが、
 ユダヤ人から見ると、心の豊かさについては、
 まだ確立されたようには見えないようです。


 与えられた自分ではなくて、
 自分だけの自分が自分の中に存在するのか、
 自分のための人生を形作れているのか。


 これに答えられる日本人はほんの
 一握りではないでしょうか。


・ユダヤ人には、サバスと呼ばれる安息日があって、一週間に一日は完全に休まなければならないことになっている。・・・ユダヤ人は、この日には完全に自分の時間を持つことができる。・・・この日は、自分と向かい合って、自分と対話し、自分の内側をみつめる。(p61)


●年月を超えて、普遍的な
 人生の知恵を教えてくれる一冊でした。


 他人や一般常識にとらわれることなく、
 自分というものを作り上げたいものです。


 中古であれば安価に入手できますので、
 ぜひ、ご一読ください。


この本で私が共感した名言

・偉大な人の前に座って、謙虚に習うことの大切さは、『タルムード』の中でも繰り返し強調されている。フィエールは「無知な者ほど誇り高い」・・・傲慢な者は質問ができない」という言葉も遺している。(p91)
 

・アインシュタインが小学校の一年のときであった。担当の女教師は、通信簿に次のように書き込んだ。「この子が将来成功することは、絶対にあり得ない」-世界の教育上、これほど評価を間違えた人も少ないと思う。(p160)


ユダヤ人の発想―不確実性時代を生き抜く条件
ユダヤ人の発想―不確実性時代を生き抜く条件
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M.トケイヤー
徳間書店
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【私の評価】★★★★☆(82点)



著者経歴

 マーヴィン・トケイヤー・・・1936年ニューヨーク生まれ。イェシヴァ大学を卒業後、1968年に来日、日本ユダヤ教団のラビ(教師)となる。滞日十年。現在ニューヨーク州グレートネックに住む。ユダヤ思想、教育論、日本人論等に関する著書多数


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