「小さな会社の「仕組み化」はなぜやりきれないのか」小川 実

【私の評価】★★★★☆（83点）

要約と感想レビュー

小さな会社のビジョンと経営計画

小さな会社は、ビジョン、経営計画、人事評価制度を作りましょう！という一冊です。ビジョン、経営計画、人事評価制度がない会社があるの？と思いましたが、家族経営のような小さな会社では、ない場合もあるのでしょう。

会社が大きくなってくと、営業や製造といった役割分担別に管理職を置き、ピラミッド組織を作ることになります。そうしたときに、会社のビジョン、経営計画、人事評価制度がないと社員は不安になるわけです。当たり前のことですね。

10人を超えると、社長と社員の間に、幹部候補生やリーダーといった管理する立場の存在が必要です（ｐ48）

評価制度と賃金制度が社員を成長させる

社長は、5年後、10年後、「こうなっていたらいいなあ」というイメージを持っていなくてはなりません。特に会社関係では、会社の強みは何のか、お客様はなぜ買ってくれるのか、ライバルとの違いは何か、会社の魅力は何なのか、を言語化し、ビジョンを作ることで、会社として一貫性を持たせる必要があります。

そして、社長が考える会社の5年後、10年後を社員や取引先などと共有するのです。ビジョンや経営計画に基づいて業務計画を作り、社員と面談を行い、人事評価と連動させるのです。面談は1か月に1回なら30分くらいで十分だという。

成長考課制度を導入し、1か月に1回の面談・・アドバイスやサポート・・社員の適正を見極められる（ｐ230）

誰でも自分の人生の経営者

小さな会社向けの本ですが、個人にも当てはまると思いました。5年後、10年後、自分はどういった生活をしていきたいのか、人生のビジョンを考えているのかということです。仮に結婚して家庭を持っている人なら、家族に対して、自分の描く理想をパートナーや子供たちに伝える必要があるのでしょう。

誰でも自分の人生の経営者としてありたい姿を実現したいと思っているはずです。恥ずかしいかもしれませんが、一歩を踏み出したいものです。小川さん、良い本をありがとうございました。

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この本で私が共感した名言

・社長の「やりたいこと」がはっきりしていないと、小さな会社ではどんな仕組みも機能しにくい（ｐ33）

・まず今いる人をやる気にさせ、辞めずに育ってくれるようにすること（ｐ54）

・成長できる環境・・その環境をつくるのが評価制度であり、賃金制度なのです（ｐ69）

▼引用は、この本からです

小川 実、アスコム

【私の評価】★★★★☆（83点）

目次

第１章　仕組み化の前に必要なこと
第２章　人が辞めない成長企業をつくる
第３章　ビジョンをつくる
第４章　ビジョンをマネジメントする
第５章　人を育てる成長考課制度のつくり方
第６章　社長としての新しいスタート

著者経歴

小川 実（おがわ　みのる）・・・一般社団法人　成長企業研究会　代表理事。一般社団法人相続診断協会代表理事。HOPグループ代表。1963年生まれ、岐阜県岐阜市出身。河合会計事務所、野村バブコックアンドブラウン株式会社勤務を経て、2002年に税理士法人HOPを設立。現在は社会保険労務士事務所HOP、行政書士事務所HOP、株式会社ワンストップＨＯＰ，株式会社HOPコンサルティングを加えてHOPグループを形成。３資格の総合的な経営コンサルティングで、中小企業のかかりつけ医として経営者のサポートを行う。2020年には一般社団法人 成長企業研究会を設立。小さな会社の成長こそが日本を元気にするという理念のもと、経営の仕組み化を支援している。

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