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「亡国の危機」櫻井 よしこ

2023/01/26公開 更新
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「亡国の危機」櫻井 よしこ


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

亡国の危機の事例

櫻井よしこさんといえば、安倍元首相に近い右翼のジャーナリストというイメージですが、内容を読むと普通の内容でした。この本で櫻井さんが、亡国の危機として指摘している事実を羅列してみましょう。


学術会議で任命されなかった6人の一部は共産党系の学者であり、学術会議は「軍事目的のための科学研究を行わない」としているが、中国の大学で研究することは禁止していないこと。
韓国は軍艦島を「強制奴隷労働」が行われていたとして、ユネスコの世界文化遺産登録に反対キャンペーンを行ったこと。「朝日新聞」や「共同通信」が、これに連動して否定的な報道をしていること。
「女性の多い会議は時間がかかる」という発言の一部だけを切り取られて批判された森氏は五輪組織委員会会長を辞任したが、同じメディアは、中国のウイグルや香港での弾圧をあまり批判しないこと。


確かにこうしてみると、テレビや新聞には意図的に報道することと報道しないことをわけているように感じます。


・NHKは、彼らの報じた長崎端島、通称軍艦島を描いた「緑なき島」が今日まで続く徴用工問題の元凶となっているにも拘わらず、訂正を拒み続けている(p251)


中国の脅威の事例

また、櫻井さんは一貫して、中国の脅威を指摘しています。この本で櫻井さんが指摘している事実を羅列してみましょう。


日中戦争時の住民殺害については、中国共産党は全て日本軍によるものとして、反日教育と反日報道を継続していること。中国共産党は「国家安全維持法」で、本来ならあと27年続くはずの香港の民主主義体制を突然終わらせたこと。
孔子学院という中国共産党のプロパガンダ組織が日本の14の大学に設置されていること。
中国国内に日本の嘉手納基地、横須賀基地、三沢基地を模したターゲットが存在しており、ピンポイントで弾道ミサイルが弾着している形跡があること。
ウイグル人弾圧に関して非難の国会決議は、公明党が断固として反対して決議できなかったこと。(2022年2月に非難、人権侵害、中国の文言を 削除して衆議院で決議)


櫻井さんは、こうした事実に基づき、将来の脅威に対し「自衛隊を普通の軍隊」にして戦える体制を整えたいと主張しているのですが、それで右翼と言われるのでしょう。単なるレッテル貼りのように感じました。


・安全保障の根幹に関わる企業を中国に買われるのを阻止するための基金を、米国は5000億ドル(約55兆円)、ドイツは72兆円規模で設立した(p42)


中国共産党を支援する日本国内勢力

こうした状況から判断すると、中国共産党を支援する勢力が、大学、マスコミ、政治家に存在するということなのでしょう。例えば、河野太郎防衛大臣が、「イージスアショアの配備計画を停止します。投資としても合理性がない。潔くやめよう」と発表したことがありました。これは何を意味するのでしょうか。


日本の大学、マスコミ、政治家の中には中国・ロシア側の応援団が存在しているのです。櫻井さんは、中国・ロシアのような専制政治、共産主義体制と、米国式の自由と民主主義体制の勢力争いになっているとしています。万が一、日本が中国の自治区になったときにどこに亡命するのか、考えておかないといけないのかもしれません。櫻井さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・バイデン氏子息のハンター氏にまつわるスキャンダルの証拠が、メールや音声や映像の形で残っているコンピュータがFBIの手に渡り、内容が報じられた・・ハンター氏と人民解放軍や中国の情報機関との間で交わされた取引情報(p162)


・アフガニスタンの首都カブールがタリバンの手に落ち・・岡田隆アフガン大使は当時、休養のため日本に戻っていた・・日本大使館員ら全員が・・英国の軍用機でカブールを去った・・通訳や情報提供者を残してきた(p7)


▼引用は、この本からです
「亡国の危機」櫻井 よしこ
櫻井 よしこ、新潮社


【私の評価】★★★★☆(81点)


目次

第1章 怖いのはウィルスだけではない
第2章 中国の暴走を止めるために
第3章 政治家は何をすべきか
第4章 真の独立国たれ
第5章 米中の動向から目を逸らすな
第6章 日本は大逆転できる



著者経歴

櫻井 よしこ(さくらい よしこ)・・・ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、アジア新聞財団「DEPTH NEWS」記者、同東京支局長、日本テレビ・ニュースキャスターを経て、現在はフリー・ジャーナリスト


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