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「朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す」櫻井 よしこ、花田 紀凱

2019/01/14公開 更新
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朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す (産経セレクト S 9)


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 いつもの朝日新聞の偏向報道についてまとめた一冊です。朝日新聞の報道方針は、目的達成のために一部を切り取って捏造するか、都合の悪いことは報道しないこと。また、見出しを工夫して誤解させる。これを角度をつけるという。そして、その偏向報道・印象操作を批判されれば、誹謗・抽象による名誉毀損で損害賠償を請求する裁判を起こす、という三段階になっています。一つずつ説明していきましょう。


 まず、一部を切り取って捏造したり、都合の悪いことは報道しないこと。朝日新聞は、森友学園の設立趣意書に「安倍晋三記念小学校」と記載されていたと報じました。実際は「開成小学校」と記載されていました。これは捏造報道でしょう。また、森友学園の土地が8億円も値下げされたのは、地下にゴミが埋まっていてタダでもいいから国は売りたい土地だったという事情は、マスコミはみんな知っているのに報道しません。つまり、総理大臣が森友学園の土地に口利きするなどありえないと、報道関係者はみな知っていると門田さんは言うのです。


 「加計学園問題」関連では、前愛媛県知事の加戸守行さんは、加計学園問題の本質は、「文科省と獣医師会の癒着によってゆがんだ行政」が正されたのだと証言しています。ところがマスコミは、安倍首相の関与を追及するのをやめないのです。さらに、NHKが取材に来たときには、「加戸さんは首相に頼まれて教育再生実行会議で加計学園の獣医学部の話をしたのですか」と、4回も同じことを聞いたという。「そんなことあるわけないだろう」と押し通したら、取材の内容は一切、報道されることはなかったというのです。


 国会の全国放送で、文科省事務次官だった前川喜平が、「教育再生実行会議で獣医学部の話を安倍総理が加戸さんに言わせた」と証言したときは、「そんな事実はない。10年間言い続けてきたことを教育再生実行会議で発言しただけ。安倍総理は関係ない。前川嘘つくな!想像を事実だと語るな。精神構造を疑う」と発言しています。加戸さんはNHKの受信料を愛媛県は不払い運動をすべきだ。マスコミは偏向報道を指揮した責任者を処罰すべきだとまで主張しています。本当に怒っているのです。


 慰安婦問題についても、初めて名乗り出た元慰安婦である金学順さんは、40円で自分はキーセンに売られたと証言していたという。朝日新聞は、キーセンに売られたということを記事にせずに、「強制連行の被害者」として報道したと門田氏は説明しています。つまり、朝日新聞の記者は慰安婦問題をでっち上げ、朝日新聞はその偏向報道が国際問題になるまで支援し続けてきたわけです。


・NHKは、国会中継をしましたが、ニュースでは加戸さんのお話しはほとんど報道しなかった・・・その後に産経新聞、朝日新聞や毎日新聞、NHKは加戸さんの証言を報道せずに、一方的に前川さんの証言などの報道ばかりしている・・(p121)


 次に一部を切り取って、見出しを工夫して誤解させる、角度をつけるという技術です。例えば、森友学園前理事長の籠池泰典氏の証人喚問では、その翌日の朝日新聞の見出しは、「昭恵夫人付職員が関与」「「野党、昭恵氏の招致要求」「昭恵氏、渦中に」「ファックスに「夫人へ報告」」「100万円匿名、電話で承った」「籠池氏「昭恵夫人から、口止めとも取れるメール」」「夫人から財務省に、働きかけて頂いた」などと、全力で見出しによって印象操作しています。これだけ、角度をつければ、誰が読んでも昭恵夫人が悪いことをしたと思うでしょう。


 加計学園の獣医学部新設問題でも、2017年6月13日に国家戦略特区諮問会議の民間議員行った記者会見では、国家戦略特区諮問会議が規制官庁である文科省を呼んで、そこから民主的な手続きを踏んで、獣医学部新設を進めたことを説明しています。ところが、その翌日の朝日新聞の見出しは、「「判断ゆがまず」でも「最後は政治判断」」と政治家の圧力があったかのように角度をつけています。ここまでくると、朝日新聞は芸術的なテクニックで誤解を与えようとしている新聞のように思えます。


・門田 私たちはどこまでも事実を追求する。しかし裏が取れなければそのネタはボツです。けれども、朝日をはじめとする人たちは、ファクトがなくても政権に打撃を与えられる記事ができれば、それが自分たちの誇りなのです(p179)


 そして三つ目の朝日新聞の戦略は、朝日を否定する人を裁判で訴えることです。これはスラップ訴訟といって言論封じに効果的な方法です。『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社)に対して、朝日新聞は意見交換することもなく、裁判を起こしています。


 また、桜井さんは元朝日新聞社の上村隆氏から、名誉棄損に基づく損害賠償と謝罪広告の掲載等を求める裁判を起こされているという。同じように、朝日新聞の吉田調書報道では、門田氏が明らかに誤報である点を指摘したところ、名誉と信用を傷つけるから、謝罪のうえ訂正しろ、訂正しない場合は法的措置を検討するという文章が朝日新聞から送られてきたという。


・スラップ訴訟・・これは社会的に強者が弱者に対して、訴訟を手段として相手の言論を封殺すること(p29)


 最後に、この本がすごいのは「はじめに」で、櫻井よしこが韓国メディアと朝日新聞は同じ、と指摘していることでしょう。文大統領は、教科書を改悪し、違法に朴前大統領を弾劾し、反日政策を推し進めているのです。その違法行動を批判するデモは無視され、デモを日韓メディアは報道していないのです。火器管制レーダー照射問題で法律を無視する文大統領の異常さが、やっと日本でも認知されはじめたわけです。


 「安倍叩きをせよ」という指示がどこからか出ているのはないかと、この本を読んで感じました。なぜ、一方的な報道で統一されてしまうのか。なぜ、ジャーナリストならだれでも知っている真相が出てこないのか。この本の結論としては、朝日新聞は、言論機関、報道機関ではなく活動体、活動家の集合であるとしています。出来事は事実に基づくのではなく、一定の「朝日」的な角度をつけて報道される。


 その結果、朝日新聞は歴史的に間違い続けてきたということです。「全面講和」「非武装中立」「60年安保」。朝日新聞は北朝鮮を「地上の楽園」と報じていました。さらに朝日新聞は中国の「文化大革命」を「永久革命」として、毛沢東を「中国の西郷隆盛」と書いたのです。平成に入ってからはサンゴ事件に従軍慰安婦捏造報道、安保法制、福島原発の所長・吉田昌郎に関する歪曲報道など、朝日新聞はことごとく間違えてきたのです。


 期待を裏切らない朝日の報道に今後も目が話せません。日本人でありながら、ここは本当に日本なのかと残念に思いました。櫻井さん、花田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・文科省は、そんなガチガチの岩盤規制を獣医師会に限って行うのか。これは天下りと関係があると国家戦略特区ワーキンググループの原英史さんが指摘していました(p105)


・獣医師会の理事会の会議報告には、日本獣医師政治連盟の活動報告として、北村委員長の次の発言が書かれています。「昨日、藏内会長とともに石破茂地方創生大臣と2時間にわたり意見交換する機会を得た。その際、大臣から今回の成長戦略における大学、学部の新設の条件については、大変苦慮したが、練りに練って誰がどのような形でも現実的に参入は困難という文言にした旨お聞きした」「平成27年度第4回理事会」[平成27年9月10日]の開催会議報告」)(p99)


・門田 私は朝日新聞に友人もいて、一緒に酒を酌み交わしたりもしますが・・・やはり非常に心情左翼の人が多い・・本来なら、ジャーナリストが忠実であるべきはファクト、事実です・・けれども、朝日新聞は自分の主義主張をずっと実現しようとしてきた特異な運動体なわけです(p171)


・堤 朝日に木村繁という有能な科学記者がいた・・・彼が原発容認論とちらっと書いたことがあった・・そうしたら大問題になって、木村糾弾のビラは撒かれるわ、会社の前にピケを張って彼を社内に入れないとか・・アメリカに行って来い」と、島流しになって飛ばされたというんだ・・・彼が俺に言ったセリフは今でも覚えている。「堤さん、いいですか。この日本で、朝日新聞社会部ほど怖い集団はありませんよ。彼らに睨まれたら、この日本では生きていけません。気をつけて下さい」(p238)


・櫻井 『週刊文春』も『週刊現代』も『週刊ポスト』も・・『週刊清朝』も含めて、週刊誌はおよそみんな安倍叩きでした。『週刊現代』は〈「前川の乱」に激怒して安倍が使った「秘密警察」〉というタイトルもあった。安倍さんがいつ秘密警察を使ったんですか・・門田 恐ろしくなりましたね。ファクトに基づかず、これが行われた・・戦前の報道とはまさにこれだったのです(p178)


朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す (産経セレクト S 9)
櫻井 よしこ 花田 紀凱
産経新聞出版
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【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

櫻井よしこ 韓国メディアと朝日新聞は兄弟のようだ――はじめに
第1章 言論機関、朝日新聞の自殺 櫻井よしこ×門田隆将×林いづみ×花田紀凱
第2章 印象操作を〝自白〟した朝日の訴状 櫻井よしこ×門田隆将×林いづみ×花田紀凱
第3章 「報道しない自由」を行使されて 加戸守行×櫻井よしこ
第4章 朝日とNHKは泥舟と共に沈むのか 加戸守行×櫻井よしこ
第5章 軍靴の足音は朝日から 門田隆将×櫻井よしこ
第6章 民主主義のために「朝日、死ね」 足立康史×花田紀凱
第7章 マスコミの大合唱は疑え 堤堯×花田紀凱
あとがき 花田紀凱



著者紹介

 櫻井よしこ(さくらい よしこ)・・・ジャーナリスト。ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、アジア新聞財団「DEPTHNEWS」記者、同東京支局長、日本テレビ・ニュースキャスターを経て、フリー・ジャーナリスト。1995年に『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中央公論)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、1998年に『日本の危機』(新潮文庫)などで第46回菊池寛賞を受賞。2011年、日本再生へ向けた精力的な言論活動が高く評価され、第26回正論大賞受賞。2007年「国家基本問題研究所」を設立し理事長、2011年、民間憲法臨調代表に就任。2012年、インターネット動画番組サイト「言論テレビ」を立ち上げ、キャスターを務める。


 花田紀凱 (はなだ かずよし)・・・月刊『Hanada』編集長。1942年、東京生まれ。1966年、文藝春秋入社。1988年、『週刊文春』編集長に就任。6年間の在任中、数々のスクープをものし、部数を51万部から76万部に伸ばして総合週刊誌のトップに。1994年、『マルコポーロ』編集長に就任。低迷していた同誌部数を5倍に伸ばしたが、1995年、「ナチガス室はなかった」の記事が問題となり辞任、1年後に退社。以後『uno! 』『メンズウォーカー』『編集会議』『WiLL』などの編集長を歴任。2016年4月より『Hanada』編集長。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍。産経新聞コラム「週刊誌ウォッチング」、夕刊フジコラム「天下の暴論」はファンも多い。


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