「スッキリ中国論 スジの日本、量の中国」田中 信彦

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スッキリ中国論 スジの日本、量の中国

【私の評価】★★★★☆(88点)


■リクルート、ユニクロの中国事業に
 コンサルタントとしてかかわり
 アドバイザーとして活躍する田中さんの一冊。


 日本人と中国人の違いを
 スジの日本、量の中国と説明しています。


 スジとは「こうあるべき」と考える人。
 量とは「利益が多いか、少ないか」
 「強いか、弱いか」で考える人。


 例えば、賄賂を要求されると日本人は
 私の良心がそうしたことは許さないと
 断りますが、絶対にバレないなら
 賄賂を払えばいいじゃないかと
 中国人は考えるのです。


 商品を買うときも
 日本人は今買うべき理由を考える。
 中国人は、自分が買いたくて
 カネがあれば買うのです。


・中国人は、その場の状況を的確に認識し、
 どういう行動を取るのが最も合理的かを
 瞬時に判断して、臨機応変な行動を
 するべきだと思っている・・・・
 原則にこだわる日本人を、
 頑迷固陋で頭の回転が遅い
 「出来が悪い」人間だと思いやすい(p17)


■面白いところは、「面子」でしょう。


 中国は人治の国といわれますので、
 それぞれの人に「面子」がある。


 「面子」とは
 その人の持つお金であり、
 地位であり、権力なのです。


 その「面子」が立たなければ、
 周囲の人から見くびられてしまう。


 これは日本人には理解しにくい
 価値観なのかものかもしれません。


・中国人にとっての「面子」は、自分という人間が
 人格を肯定されるか否定されるか、
 くらいの意味を持つ・・
 皆が「相手に見くびられたら商売にならない」
 と思っていて・・(p210)


■また、中国人は自尊心が高いので、
 日本人から笑顔でアプローチすると
 良い結果になることが多いそうです。


 まず、こちらから中国人の自尊心を
 満たしてあげる。
 だからこそ、これだけの中国人が
 来日しているのでしょう。


 レベルの高い中国人と
 日本人の分析でした。


 田中さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中国社会では、事の当否は別として、
 お金持ちか否か、権力・権限を持つ人かどうか、
 社会的な影響力を持つ(自分の意見を通せる)
 人物かどうか、どういった、その人物の「大きさ」
 「力の強さ」を重視する傾向が強い(p209)


・中国でも、「謝罪」というスジの話もあるのだが、
 主眼は損得の方にある。だから中国の「暴動」や
 抗議活動は、だいたいはおカネで(表面的には)
 収まってしまう(p21)


・自分の前に誰かが割り込んだらどうするか。
 その瞬間、中国人の頭に自動的に湧き上がってくるのは、
 「この人物が割り込むことで、
 自分が切符を買う時間がどれだけ遅れるか」
 ということである。力点はここでも
 「自分への影響の大小」にある。
 「割り込みはよくない」という
 世界一律の規範になるのではない(p41)


・もし仮に道路を100m造るごとに、ある役人の
 懐に1万元のお金が入る仕組みになっていたとしよう・・
 これは一種の仲介手数料のようなものである。
 役人たちは競うように道路を造ろうとするだろう・・
 中国で驚くようなペースで道路や鉄道などインフラの
 整備が進み、壮大な公共施設が続々と建てられていく
 背景には、地方政府の面子や大国としての虚栄心、
 役人の出世競争などがあるが、加えてこの
 「汚職という名のインセンティブ」が
 機能している面があることも間違いない(p126)


・中国で、お金があるのにバスに乗る人はまずいない。
 逆に言えば「バスに乗っている」ことは、
 イコール「お金があまりない」ことを
 意味してしまう。「量」を基準に考える社会で
 「持っているお金が少ない」のは
 恥ずかしいことで、面子がない(p25)


・中国のお金持ちを見ていると、
 確かにお金は儲けるが、支出も多い。
 儲けたお金を消費しないと周囲が許さない。
 中国社会で「ケチ」と言われたら、
 途端に人もお金も遠のいていくから、
 使わざるを得ない(p92)


・なぜ中国人が、一般に他人に対して
 愛想がよくないのかといえば、
 それは中国人の心理の根底に
 「自分を低く見られたくない」
 という意識があるからである(p144)


・中国人のこういう自尊心の強さは・・
 相手から先に自分に対する好意が示された途端、
 一瞬にして満足される・・・
 自分の存在が相手から認められた、
 相手から自分が尊重された・・
 こうなると嬉しくて仕方がない。
 そして突然、満面の笑顔になって、
 自分を尊重してくれたその相手に、
 自分も最大限の好意をもって
 向き合おうとするのである(p146)


・中国の「現場」で働いている人はおしなべて、
 「これしかやることがないから仕方ない」という
 心の持ちようになっていることが多い。
 その仕事に誇りとか愛着を持つという
 心情になりにくいのである(p221)


・東京でスーパーのレジ係の効率の高さ、
 礼儀正しさに驚き・・どうしてこんな
 「つまらない仕事」にひたむきになれるのか。
 そのことが理解できない。よくわからないが、
 とにかく日本社会の強みがこのあたりに
 ありそうだという感想は持ったようだった(p223)


・中国の人たちは「他人の言うことは正確でない
 (あてにならない)」ことを最初から前提にしている・・・
 だから他者の発信する情報が不正確で、
 時に自分が不利益を被ることがあっても、
 それは最終的には自分が判断したことで、
 もちろん愉快ではないが、世の中そういう
 ものであると粛々と受け入れる(p55)


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■目次

第1章 「スジ」に沿う日本、「量」で考える中国
第2章 「スジ」と「量」の特性はこう表れる
第3章 「量」の中国人が会社で考えていること
第4章 「量」の世界は毎日が闘い
第5章 「スジ」の民、日本人の生きる道
第6章 「量」の社会にスマホがもたらした"革命"



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