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「GET A GRIP ゲット・ア・グリップ」ジーノ・ウィックマン

2022/06/14公開 更新
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「GET A GRIP ゲット・ア・グリップ」ジーノ・ウィックマン


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

 アメリカで1万社の導入事例があるという「起業家のための経営システム」の導入事例を小説形式で教えてくれる一冊です。「起業家のための経営システム」の特徴は、ビジネス書に書いてあるツールがパッケージ化されていることでしょう。


 ビジョン・価値観の作成、業務の文書化、正しい組織と価値観に合った人材配置、課題のリスト化と週1回の経営陣による課題解決のための打ち合わせ、「重要業績評価指標」をまとめたスコアカード、1週間が期限のToDoリスト、四半期が達成期限の優先事項と1時間半で終わる週1回の会議運営方法とてんこ盛りなのです。 


 中小企業であれば、組織や仕組みや人材のどこかに足りない部分があるはずで、それが制約となって成長が止まってしまうこともあるでしょう。そうしたときにこの経営システムの一つひとつの手法を参考に制約となっている業務を教科書どおりに改善できればできれば、成果が出るという仕組みなのでしょう。


・コア・バリューを基準にして,会社に属する人たちを雇い,解雇し,評価し,報償を与え,認める覚悟がありますか?(p232)


 印象的だったのは、週1回の経営層のミーティングが1時間半で終わることです。この効率的なミーティングでは、スコアカードと優先事項の進捗状況確認、ToDoリストの確認を30分で終わらせ、1時間を課題解決に使います。確認は短時間に終わらせて、重要なことに一番時間を使うのです。


 課題リストに貯まっている課題を優先順位を決めて、一つひとつ議論します。議論では、課題を掘り下げて、根本的な原因を突き止めたら、経営陣の発言は一回と決められています。なぜ一回なのかといえば、一回以上発言すると、権力争いになってしまうから。権力争いとは、社長が何と言ったのか忖度したり、雰囲気で意見を変えるのを防ぐということなのでしょう。最終的には責任者が決断するか、決定せず課題リストに残しておくことで重要な課題が放置されることを防いでいるのです。


・課題解決トラック(IDS)・・・全員が,言うべきことを一度だけ言うのです。一回以上言うと権力争いになってしますからね(p62)


 びっくりしたのは、経営陣の会議で人材を「知識、実行力、信頼度、謙虚さ、前向きな態度、業務管理、やる気、業務能力で評価し、適切でなければクビにするという仕組みでしょう。もちろん評価の悪い人をクビにする前に、その評価は本人に伝達され、改善することを期待されますが、二回通知しても改善が見られなければ、クビにするのです。日本では性格の悪い人も、異動まで我慢していればなんとかなると考えてしまいますが、アメリカではここまであからさまに人を評価し、クビにするプロセスが組み込まれていることにびっくり。


 確かに小さな組織では、組織風土を破壊してしまうような人が存在すると、簡単に組織が崩壊してしまいます。それは日本もアメリカも同じなのでしょう。アメリカでは、そうした人を合理的にクビにするわけです。日本では閑職に移すのが精一杯ですから、そうしたところに経済の勢いに差ができてしまうのだろうか、などと考えていました。


 すべて日本に合うとは言えないと思いますが、いろいろと考えさせてくれる一冊でしたので、本の評価としては★4つとします。ウィックマンさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・すべての部署にスコアカードを導入し,従業員一人ひとりが測定可能な数字を一つ以上持ちます(p61)


・『石』とは組織の最優先事項・・・今後90日間で終わらせなければならない3~7項目ほどの重要事項(p63)


・一つの機能に二人以上の責任者を置くことはできません。責任者が二人いると,誰も責任を負わないからです(p80)


・コア・バリュー・・・みなさんが社員に期待していることをはっきり伝えれば,ほとんどの人が期待に応えようとするでしょう(p180)


・ToDoリストには7日間で完了できるタスクだけを入れて,毎週リストの項目を入れ替えてください(p228)


▼引用は、この本からです
「GET A GRIP ゲット・ア・グリップ」ジーノ・ウィックマン
ジーノ・ウィックマン、ビジネス教育出版社


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 事件
第2章 出会い
第3章 フォーカス
第4章 ビジョン構築1日目
第5章 ビジョン構築2日目
第6章 大変革
第7章 年間計画セッション
第8章 トラクション(実行力)



著者紹介

 ジーノ・ウィックマン(Gino Wickman)・・・承継した家族経営のビジネスをV字回復させた経験からEOS(起業家のための経営システム)を生み出す。 EOSワールドワイド創設者。中小企業の現場に赴いて経営チームがEOSを導入するサポートすることに多くの時間を費やしている。


 マイク・ペイトン(Mike Paton)・・・起業家として10年以上,複数の起業を率いた後,最初のEOSインプリメンターの1人となる。140社以上に14000日を超えるセッションを提供。


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