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「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」堀内 都喜子

2021/11/23公開 更新
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「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」堀内 都喜子


【私の評価】★★★☆☆(75点)


要約と感想レビュー

北欧フィンランドの社会人の75%は、4週間連続の夏季休暇を取っている!!残業もほどんどなく、在宅勤務も3割。6~8月の夏季休暇のシーズンには、10人の社員のうち4、5人は職場にないというのが、通常の風景なのです。さらに産休・育休は法律で認められた権利で子どもが3歳になるまで育休は認められているというのです。


定時退社は当然であり、「18時過ぎに帰ってくる父は、家庭を大事にしない父親失格の人」と言われているという。それでいてフィンランドの一人当たりGDPは5万ドルで日本が4万ドルなので円高の余地があるとすればほぼ同じ。日本と同じ収入を確保しているのです。いわゆるワークライフバランスが現実社会の中で実現しているのがフィンランドなのでしょう。


・調査によると、30歳以下の社会人のうち、約半分が4週間連続の夏季休暇をとれていない。全ての社会人では、4週間連続でとれていないのは27%である(p140)


そもそもフィンランドでは新卒採用がなく、業務の決まった職種別採用なので、年齢、性別、全く関係なしの実力主義であることがわかります。子どもが3歳までの育休を多くの人が取るので、その代理として3年未満の期間限定雇用という形でカバーします。


こうした期間限定雇用や学生インターンを活用しながら、休暇を取っても代わりに仕事を進める人がいる体制を取っているようです。日本のように誰もが休みを取らないと休みにくいですが、フィンランドのように誰もが休みを取るのであれば、非常に休みやすいのではないでしょうか。


・上下関係は、肩書だけでなく勤務年数や年齢、学歴、性別にも左右されない・・・年功序列はないし、実力や成果が重視される(p91)


これまで2回、3週間の休みを取り、3回目を計画している本のソムリエも、フィンランドでは社会人失格なのでしょう。日本は儒教的文化がありますので、あと100年くらいすれば、北欧のような乾燥したドライな文化を若干取り入れることができるのではないでしょうか。


データに基づくフィンランドの職場というより著者の経験を中心としたものでしたので、もう少しフィンランドを調査してみたいと思います。良い面と悪い面を把握して判断しないと間違うこともありますので、フィンランドの悪い面も見ていきたいですね。堀内さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・新卒採用システムのないフィンランドでは、この1~3年の期間限定の雇用は、フルタイムへの第一歩となり、いい経験になる(p107)


・社員の歓迎会やお別れ会も勤務時間内にコーヒーとケーキでする・・・寄せ書きやプレゼントを渡して思い思いに語り合う。時間にして30分程度(p99)


・フィンランドの友人が「大変な仕事を簡単そうにやっていたり、効率よくこなしサーッと帰るのが格好よく、できる大人の証拠」と言っていた(p50)


・シス・・・仕事やタスクで時間の制約がある中、やってしまわないといけない時、とにかくやり遂げる。シスは逃げない気持ち(p163)


▼引用は、この本からです
「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」堀内 都喜子
堀内 都喜子、ポプラ社


【私の評価】★★★☆☆(75点)


目次

第1章 フィンランドはなぜ幸福度1位なのか
第2章 フィンランドの効率のいい働き方
第3章 フィンランドの心地いい働き方
第4章 フィンランドの上手な休み方
第5章 フィンランドのシンプルな考え方
第6章 フィンランドの貪欲な学び方



著者経歴

堀内都喜子(ほりうち ときこ)・・・長野県生まれ。フィンランド・ユヴァスキュラ大学大学院で修士号を取得。フィンランド系企業を経て、現在はフィンランド大使館で広報の仕事に携わる


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