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陸上自衛隊員が予想する尖閣占領シナリオ「オペレーション雷撃」山下裕貴

2021/01/05公開 更新
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「オペレーション雷撃」山下裕貴


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

 中国は、第一列島線を完成させるために南シナ海に人工島を建設。
 この本では、最後の仕上げとして台湾侵攻とセットで沖縄県多良間島に侵攻して軍事拠点化を目指します。


 多良間島は宮古島と石垣島の中間にあり、住民1000人程度。侵攻の障害となる自衛隊は駐屯してませんので、狙い目なのです。


 また、何もない尖閣諸島より、インフラの整備されている多良間島を占領したほうが短時間に軍事拠点化できるわけです。


・多良間島は自衛隊の配備されている宮古島と石垣島の中間にある。わが国が侵攻するとは日本政府は夢にも思わないだろう。"チェックメイト"だ(p149)


 侵攻はクリミアと同じように、民間の武装組織と偽装した人民解放軍により実行されます。南シナ海の人工島と同様に、敵対勢力の空母を近づけさせないためにミサイルも配備します。


 クリミアのように中国系の住民が過半数を超えていないので、選挙で合法的に併合することはできませんが、迫撃砲、RPG-7、電磁砲などで守りを固めます。人質を取った重装備の人民解放軍を、今の装備で自衛隊は排除することができるのでしょうか?


・目標は日本の沖縄県多良間島です。島の西側にある多良間空港は1500メートルの滑走路が1本と小さなターミナル施設があり双発機が使用しています。この島に対艦弾道ミサイルDF15改を配置して米空母を列島線以東に阻止します・・・また、防御用に電磁砲を配備します(p148)


 著者は元中部方面総監であり、自分が中国軍関係者だと思って本書を書いたと言っているように、実際にありそうなシナリオだと思いました。


 現在自衛隊は宮古島と石垣島に駐屯していますが、これだけでも反対する人たちがいます。どういう意図を持って自衛隊の駐屯に反対しているのか調査してみたいものですね。


 山下さん、良い本をありがとうございました。



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この本で私が共感した名言

・10日ほど前から、辺野古基地増設に反対する一部の過激派の活動がエスカレートしており、火炎瓶や手製迫撃砲弾を使用した武装闘争になっていた(p111)


・彼らの要求は"日本からの沖縄独立、琉球国建国、そのために多良間島に臨時政府を樹立する。そして当面の要求は先島諸島の自衛隊の島外撤収(p209)


・我々が中国軍だと断定できなければ、日本政府も軍(自衛隊)を出せないでしょう。それがあの国の弱点ですから(p206)


・今から村役場に行き村長以下10名ほどを連れてきてくれ。人間の盾にする・・・民間人を巻き込むとジュネーブ条約に違反することになります・・・我々は中華人民共和国の人民解放軍ではない。琉球独立団だ・・・住民に犠牲者が出るとなると、日頃、日本政府に批判的な沖縄県が黙っておらずに動くだろう(p257)


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▼引用は、この本からです
「オペレーション雷撃」山下裕貴
山下 裕貴、文藝春秋


【私の評価】★★★★☆(81点)



目次

プロローグ
第一章 予兆
第二章 勃発
エピローグ


著者経歴

 山下裕貴(やました ひろたか)・・・1956年、宮崎県生まれ。1979年、陸上自衛隊入隊。自衛隊沖縄地方協力本部長、東部方面総監部幕僚長、第三師団長、陸上幕僚副長、中部方面総監などの要職を歴任。特殊作戦群の創設にも関わる。2015年、陸将で退官。現在、千葉科学大学及び日本文理大学客員教授。


離島防衛関係書籍

「オペレーション雷撃」山下 裕貴
「自衛隊は尖閣紛争をどう戦うか」
「尖閣諸島沖海戦―自衛隊は中国軍とこのように戦う」中村 秀樹
「尖閣を奪え! 中国の海軍戦略をあばく」福山 隆
「邦人奪還-自衛隊特殊部隊が動くとき」伊藤祐靖


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