ただ人の話を聞くだけの「名古屋で見かける聞き屋の謎」ディーン・カワウソ
2021/01/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(69点)
要約と感想レビュー
名古屋駅の路上で無料で話を聞く「聞き屋」という活動をしているディーン・カワウソさんの一冊。「聞き屋」とは、駅前などの路上で無料で話を聞く人で、カワウソさんは、横浜の聞き屋Kさんを真似して「聞き屋」になったのだという。カワウソさんの場合は、無料でその場で相手の話を聞いてあげるのですが、グループで聞いてあげる人もいるし、有料で仕事や副業としてやっている人もいるという。
では無料の「聞き屋」は何でお金を稼いでいるの?といえば、仕事をしているか、バイトをしているのです。カワウソさんが正社員で働いていたときは、「聞き屋」が深夜になってしまうので、退職してバイトをするようになったそうです。ゆる~く働くのがよいのだと、カワウソさんはいうのです。大丈夫か?そして話を聞くことは相手にとっても良いことだし、自分も精神的に救われる。だからカワウソさんは続けているという。
・僕は、学校を卒業した後、普通に就職して、辞めて、アルバイトをして、辞めて、また正社員で就職して・・といった感じに正社員や契約社員、アルバイトを転々としてきました(p71)
聞き屋に来る人の中には、「~が嫌で会社を辞めたくて」「本当はこういう事がやりたいんですけど」などと、自分が嫌なことを我慢して、自分の本当にやりたい事をやれていない人が多いという。だから、嫌なこと、悩み、愚痴、不平、不満は友人でも聞き屋でもいいので、話して、手離した方がいいですよ、とカワウソさんは言うのです。実際、カワウソさんも嫌なことがあっても聞き屋をやって人と話をすることで、いつの間にか気分が晴れていたということがよくあったという。
・人と話すことは、自分が持っていない何かに出会うチャンスです(p134)
世の中には雇われても何もしない『レンタルなんもしない人』とか、人からご飯を奢られて生活している『プロ奢ラレヤー』という人もいるらしい。日本とは本当に豊かな国なんだな、と思いました。最低限、お腹を満たすことはできているので、今、日本人は人と話すことで心を満たしたいのです。
経営コンサルタントの本を読むと、コンサルタントの仕事は「社長の愚痴を聞くことだ」という人もいるくらいなので、話を聞くだけでもニーズはあるのだと思いました。ディーン・カワウソさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・食事は人のお腹を満たすことができても、心を満たすことはできません。でも人との会話を楽しむことは、幸福感という形で人の心の空間を満たすことができると思います(p16)
・2001年に枚方バンダムさんという方が日本で一番最初に「路上で聞く活動」をされたと言われています。(『お話、聞きます』(徳間書店)という本も出されているみたいです。)(p97)
▼引用は、この本からです
ディーン・カワウソ、マーキュリー出版
【私の評価】★★☆☆☆(69点)
目次
第1章 聞き屋の基本の「キ」
第2章 路上聞き屋ディーン・カワウソの場合
第3章 聞き屋をやってみました
第4章 聞き屋の壁
第5章 聞き屋の深~い話
著者経歴
ディーン・カワウソ・・・名古屋の路上を中心に活動する聞き屋。2020年3月現在、300回以上の聞き屋活動を通じて、1600組以上の人の話を聞く。路上活動においては聞き屋だけではなく、音楽団体との路上ライブやフリーハグ団体とのコラボ、某有名ユーチューバーの動画に出演するなど、幅広く活動している。
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