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「東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる」兵頭 二十八

(2020年7月20日)|本のソムリエ メルマガ登録
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【私の評価】★★★★★(91点)


内容と感想

■北朝鮮の核兵器への対応として
 「イージスアショア」や
 「敵基地攻撃能力」などが
 マスメディアで話題となっています。


 核兵器にどう対応するのか。
 核兵器の基本を知るために
 本書を手にしました。


 日本の周辺にはロシア、中国、
 北朝鮮、アメリカなど、核兵器を
 開発、運用している国があります。


 各国は核兵器を脅しに使うだけでなく、
 実際に使用するときはどこに使うのか、
 あらゆるパターンを検討していると
 考えるべきなのでしょう。


・兵員数の圧倒的な不利をおぎなうため、ロシア陸軍は、対中有事の際には、戦術核兵器(短射程の地対地ミサイルや空対地ミサイル)を初盤から使うつもりでいます。繰り返されている演習のシナリオから、それは秘密でもなんでもありません(p49)


■日本が核攻撃を受けるとすれば、
 場所は限定されるようです。


 まず、日本のすべてが集中している東京。
 米海軍の拠点である横須賀。
 日本の潜水艦を製造している神戸。
 流通のボトルネックである関門海峡。
 原子力開発の中心地である東海村などです。


 当然、自衛隊基地、軍港、米軍基地も
 攻撃目標となります。


 特に首都圏から遠い地点は
 「警告」として核攻撃される
 可能性が高いという。


・わが国における潜水艦建造の中心地である神戸港は、日中の戦争の初盤から「警告」「見せしめ」として核攻撃される可能性がある・・(p144)


■自動車を運転するときはシートベルト、
 核兵器には・・・何を準備するれば
 よいのでしょうか。


 まず、受け身としては首都圏機能の分散、
 非常時の指揮所を複数準備、
 大都市で地下駐車場など核シェルター
 替わりになるものを増設。
 軍事基地は米国と共同利用とする。


 積極策を考えるとすれば、
 イギリスのように米国に核兵器を
 貸してもらうという手が
 あるのかもしれません。


 いずれにしろ、
 最悪を想定して準備しておく
 必要があると感じました。


 兵頭さん、
 良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感したところ

・いまの習近平世代などは、当然ながら、反日教育・反日宣伝のなかった時代を知りません。小学校からずっと反日を刷り込まれて育った政治家たちばかりです。「この際、東京に水爆を叩き込んで、歴史的な報復をしておこう」といったオプションが、ある日、彼らの軍議の席上で提議されたときに・・特段、感情的にためらいを覚えることはないでしょう(p9)


・2017年6月、中国メディアの「今日頭条」も次のような主張を堂々と展開しています。すなわち日本はすぐに核武装して核大国になる力を持っている。そんな国が隣にあったのでは「枕を高くして寝ることはできない」できないんだったら、どうするのか?もうお分かりでしょう(p134)


・神奈川県の横須賀市が、日本の「核被災」の高リスク候補地の筆頭に来てしまう理由は、そこが米海軍の空母や潜水艦やあらゆる艦艇にとって、極東海域における、「代替が利かない」利便性を提供してくれている最優秀の根拠地だからです(p18)


・中共軍の核戦争プランナーの目から見て、西日本で核攻撃の候補目標として上位にカウントしているであろう軍事施設は、佐世保軍港、岩国航空基地、嘉手納空軍基地、呉軍港、舞鶴軍港等です。東広島市にある川上弾薬庫、沖縄県にある辺野古弾薬庫のような米軍の弾薬庫も、リストに入っているかもしれません(p145)


・北朝鮮がアメリカ軍と大規模な交戦を始めた場合、韓国の釜山港への重要後方補給経路に当たっている関門海峡が、核攻撃目標に加えられます・・・もちろん釜山港は、その前に必ず核攻撃されています(p179)


・(北朝鮮が)北海道の航空自衛隊千歳基地や、名古屋市北郊の航空自衛隊小牧基地のような、日本の自衛隊が使っている、大都市から少し外れている航空基地を狙って核ミサイルを同時に発射し、その射程と実爆威力を立証することは、とても合理的なオプションになるのです(p174)


・平時から、米軍との「基地共用化」を推進しておけばいい・・・それで自衛隊の飛行場が核攻撃を受けにくくなる(p198)


・国家の究極非常事態下の自衛隊等の指揮を執ることができる施設を、東京以外の日本国内数カ所、大山岳地帯の地下トンネル内等に分散的に配置するべきだろうと思います(p112)


・日本国政府および東京都知事は、都心のいたるところに、公共の地下駐車場をもっと整備するべきでしょう・・・諸国の首都(たとえば北京やストックホルム市など)をはじめとし、全世界の主要都市が、冷戦初盤から「核シェルター」を念頭に置いた防空避難設備を着実に築造し、拡充しています(p189)


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▼引用は、この本からです

兵頭 二十八、講談社


【私の評価】★★★★★(91点)


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目次

第1章 日本でいちばん核攻撃の可能性が高い街
第2章 東京を襲う水爆は何発か
第3章 東京の周辺都市はどうなる
第4章 なぜ大阪は狙われないのか
第5章 北朝鮮が狙う千歳市と小牧市
第6章 被害を最小化する方法


著者紹介

兵頭 二十八(ひょうどう・にそはち )・・・1960年生まれ。1982年、 陸上自衛隊入隊。1984年、1任期満了除隊。同年、神奈川大学外国語学部入学。1988年、 東京工業大学大学院理工学研究科入学。1990年大学院修了。社会と軍事の関わりを深く探求し、旧日本軍兵器の性能の再検討など軍事評論を行なっている。


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