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「40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい」佐々木 常夫

2019/11/08公開 更新
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40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

 家族の問題で定時退社しながら東レで取締役、東レ経営研究所所長などを歴任した著者の仕事術です。同期トップで昇進していっただけあって情報収集と上司への気配りに抜かりはなかったようです。


 まず、情報収集としては社内のキーマンの情報を集めて、対話の機会を作って関係を良くしておく。また、新しい職場に異動になったらその職場の資料をすべて読み、現状を把握して課題を見つけ出し、何らかの手を打つのです。


・私は40代の頃、社内の人物分析のひとつとして、キーマンごとに入社年度、出身大学、経歴などを調べて一覧表にし、すべて暗記していたことがあります(p75)


 また上司への気配りとしては、「定期的なおうかかい」と称して定期的に報告していたという。定期的に報告してもらえるから上司は安心して、著者を信頼してくれるでしょう。さらには定期的に面談することで上司と個人的に親しくなり、ツーカーの関係にもなることができるのです。


・上司に対して「定期的なおうかがい」・・・私は課長だった時、つねに部長のスケジュールを確認し、もっとも余裕のある日時を選んで・・目安は2週間に一度、1回につき30分程度ですが・・やがてそれほど時間をとらなくてもツーカーで聞いてもらえるようになりました(p86)


 役員から東レ経営研究所所長への異動を、左遷と認識していることを意外に思いました。著者としてはさらに上のレベルで活躍したいという志があったのでしょう。ただ、左遷されたおかげで、こうした本を書いて稼げるようになったとも言っています。佐々木さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・40代のみなさんがすべきは、全力でがんばるのではなく、むしろ力を抜いてみる・・「幸せな人生」というゴールに最小限の努力でたとり着くために、ムダなものを省く=不要なものを「略す」という考え方(p5)


・私は39歳で課長に昇進しましたが・・・妻の看病と自閉症の長男を含む3人の子どもたちの世話をすべく、毎日18時には退社しなければならなくなりました・・「仕事では何をすべきで何をすべきでないのか」を徹底的に試行錯誤したのです(p6)


・新しい部署に着任したら、最初に必ず「事実の把握をする」ということ・・・私は45歳の時、初めて営業部門に配属されました・・さっそく事実の把握に取りかかると、流通経路が(東レ→販売元→問屋→小売店)と多段階のために、最終小売価格が高くなっていると気づきました・・・東レから小売店へ直接販売スべきだと提案しました(p37)


・「忍耐」より「ゲーム感覚」・・「どうしたらあの上司をウンと言わせられるか?」「何をクリアすればこの案件を通せるか?」といった具合に、仕事にゲーム感覚を取り入れてみるのです(p23)


・良い習慣のひとつに「一歩先の行動をとる」ことがあります。会議や打ち合わせの時、10分程度余裕をもって席につくようにする(p39)


・上司の性格を把握・・・おおざっぱな上司には「痒いところに手が届く」ような対応を、性格の細かい上司なら時間厳守や整理整頓に気配りしつつ、大局的な視点も提案すれば、君に対する評価はより高まると思います(p90)


・「トレビーノ」という浄水器の販売営業を担当していた女性・・・大量発注をもらえたものの、今度は人手不足で納期に間に合わないとなると、彼女は工場の人たちに「何とか間に合わせてほしい」と頭を下げて頼み、自分自身もラインに入って手伝いを始めました・・そんな彼女の欲や情熱が人の心を動かし、やがて会社を代表するヒット商品を生み出す・・(p30)


・私は会社員の頃からずっと、本や新聞を読んだり、映画や講演を見たりしては、気になる言葉をメモするという習慣を実践してきました・・(p141)


・繊維事業からプラスチック事業の担当に異動になった時・・・専門的な知識については、素人・・自分は管理職として方向性を考えることを優先しよう」そう思ったのです・・・むしろ上下を取り払い部下から教えてもらったおかげで、最短コースで成果を出すことができたと考えています(p148)


・40代にもなって、こんなつまらない仕事しかできない。そう思うのだとすれば、それは仕事がつまらないのではなく、つまらないとしか思えない人間の側に問題がある。勝手に屁理屈をつけて、真剣に仕事に向き合えない自分を正当化しているだけ(p215)


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【私の評価】★★★★☆(81点)


目次

第1章 組織を生きる知恵は「略す」にあり
第2章 「争い」は略せ、すべて味方と心得よ
第3章 成果を出すには「時間」を略せ
第4章 仕事を略して家族との時間を増やせ
第5章 略したぶんだけ人生は豊かになる



著者経歴

 佐々木 常夫(ささき つねお)・・・1944年生まれ。1969年東レ入社。長男が自閉症、妻がうつ病のため、育児、家事、看病をするため毎日18時に退社。2001年東レ同期トップで取締役。2003年より東レ経営研究所社長。経団連理事。


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