「日本電産永守重信、世界一への方程式」田村 賢司
2015/12/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
■世界一のモーター製造メーカー
日本電産の経営の秘密です。
技術も金も人もいない創業当時は、
納期半分で仕事を取っていたという。
恥も外聞も捨てて、
まず仕事を取ることによって、
技術を獲得してきたのです。
・売りにしていたのは「他社の半分の納期」
という圧倒的なスピードだ。だが、そもそもが
無理なので技術者は音を上げようとする。
すると、永守は「『できる』『できる』と
繰り返してみい。そしたらできるようになる」
と叱咤したという(p195)
■コスト削減は徹底しています。
数万円以上のものを買うときは、
必ず5回は交渉するという。
幹部の会議は土曜日。
営業は1カ月に100件以上顧客を訪問。
それで、納期半分で
価格が安いなら、
売れるわけです。
・資材や部品など原材料から
文房具のような事務用品まで、
数万円以上の物品はすべて購入先と
5回の交渉を繰り返す。(p67)
■永守会長は70歳となっても、毎週土曜日、
世界中から送られる300通の週報、
1000通のメールを読んで、指示を出すという。
恐るべき集中力と
組織を引っ張る迫力だと
思いました。
田村さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・ダブル・プロフィット・レシオ(利益倍増)と
名付けられた第1弾WPRは、
「売上高が半分になっても利益を出せる体質にする」
と永守が宣言しただけあって、
激しい改革運動だった。(p28)
・事業部制やカンパニー制で
営業を取り込んだ組織にすると、
事業部長の経営力が問題になる。
経営力のない者が事業部長になると、
少し採算性が低いというだけで
『やめておけ』となりやすい。(p36)
・人の善意のパワーを引き出すツボ・・
過大な要求を突き付けて人を
限界まで追い込まないと、
その能力を使い切れないと
考えている節がある(p39)
・子供の頃からの小心者・・・
小心はしばしば将来の不安を解消するための
怠りない調査となり、
周到な準備に転化する(p42)
・「シェアがコストと人材を作るんや」。
永守はかつて、筆者にこう語ったことがある。
まずシェアを取る。・・高シェア獲得→
設備稼働率上昇→資産効率向上→利益増→
営業キャッシュフロー増(p171)
・永守は買収額がEBITDAの10倍を
超える案件には基本的に手を出さない(p179)
・永守重信を、妻の寿美子は
「喜、怒、哀、楽という4つしかボタンがない人」
と評している(p1)
・母のタミは永守が友達と喧嘩をして殴られでもして
帰ってこようものなら「もう1回やってこい」
と家にも入れなかったという。(p190)
・自分が創業した会社は自分の身体の一部であるので、
命をかけて自分の会社を守ろうとしていることだけは
理解してほしい。だから私は・・・
「すぐ言い訳する、泣く、開き直る、逃げる、辞める」
と続く人間を信用出来ないのである(p185)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
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■目次
第1章 :「もう残尿感なし。絞りきった! 」 ─ 創業40年、大減益からのリスタート
第2章 :「ハードワーキングやぁ」 ─ 無理を通して道理に変える人間力
第3章 :「固定費を絞り尽くせ! 」 ─ ダメ企業の甘えを壊す組織再建力
第4章 :「どんな3流も1流にできる」 ─ 眠れる力を呼び起こす人間改造力
第5章 :「先のことが不安で仕方ないんや」 ─ 小心に裏打ちされた想像力
第6章 :「買収後、即座に思惑通り動かせる」 ─ 大胆に組織を変える転換力
第7章 :「数字へのこだわりが企業を磨く」 ─ M&Aを支える市場対話力
第8章 :「死ぬまで日本電産の面倒を見る! 」 ─ 69歳で変わり続ける成長力
ブログ、すごいですね、分かりやすくて。
日本電産がどうしてシェア一位なのか、よく分かりました。
また来ます。