「職業としてのプロ経営者 -プロフェッショナルマネジャー論-」小杉 俊哉
2015/11/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
サラリーマン社長が多い日本でも、外部からプロ社長を招く場合が増えてきました。この本では、外資系、ファンド系、オーナー系企業のプロ社長31名のインタビューを行っています。コンサルからMBAを取得し、いくつかの会社でキャリアを積んでいる人が多いと感じました。
外部からやってきたプロ社長には、二つの道があります。「単なる嫌われ者」で終わるか、「初志貫徹の変革者」になるかです。この二つの分かれ道がどこで決まるのかといいえば、結果が出るかどうかなのです。成果を出せば、中間層の6割が改革者の味方に転換するのです。
・キャリア上の非連続な試練に直面し、それを乗り越えるべくストレッチされた経験をもっているということは全員に共通することだ(p53)
インタビューを通じて伝わってくるのは、ロジックだけではなく、人間関係が大切ということです。相手を説得する理論、戦略も必要ですが、部下が従うだけの人格も必要なのです。社長は決断するだけでなく、一体感を持った組織を作ることも仕事なのです。
つまり、創業したばかりの若い頃は、自分を強く打ち出していくことで成果を出していきますが、企業の規模が大きくなってくると、自分で仕事をするのではなく、組織や部下を通じて仕事をしていくことになるのです。その時には、「俺が、俺が」ではなく、まわりの人に感謝し、そして支援する側にならなくては、人はついてこないのです。
・人はロジックだけでは動かず、感情に対しても同時に訴えていかなければならないということを、身をもって味わうことになるのだ(p68)
まずは、社内で成果を出すこと。そして、できればMBAを取る。チャンスが来たときに、どうするかはあなた次第です。小杉さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・経営者になったなら「話を聞く」というスキルがとても重要になります・・「会議に出る前に結論を決めていませんか?」(加藤智治)(p133)
・仮に駅に電車が到着した場面があるとすれば、私はひとまず目一杯駆け出します(笑)・・自らの勝手な思い込みや判断で走ることを諦めてしまえば、それですべては終わり(栗原一博)(p178)
・「できない言い訳ではなく、できる理由を考えよう」というメッセージを繰り返し投げかけていった・・(郡信一郎)(p145)
・社内にはオンライン事業を快く捉えていない勢力の存在も当時はありました・・・オンラインの台頭を「社内にいる敵対勢力」と見る人もいたのです(相木孝仁)(p97)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
序章 どうして砂糖水屋の社長からコンピュータ屋の社長になれるのか
第1章 プロ経営者という職業
第2章 プロ経営者はなぜプロ経営者になれたのか?―プロファイル分析
第3章 プロ経営者への道―「プロ経営者になる。」インタビューより
第4章 プロ経営者養成塾
第5章 日本企業を活性化させる方策
著者経歴
小杉俊哉(こすぎ としや)・・・1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、日本電気株式会社(NEC)入社。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーインク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を経て独立。2001年より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を兼任。専門は、人事・組織、リーダーシップ、人材開発、キャリア開発。ベンチャーを中心に複数社の社外取締役を歴任。受講者7,500人を超えるキャリア自律研修や、企業幹部向けのリーダーシップ研修を行っている。
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