「「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人」近藤 誠

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「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■労働厚生省が推し進める
 「早期発見・早期治療」「がん治療」に対して
 問題提起する一冊です。


 著者の言いたいことは、

 早期発見・早期治療の名のもとに、
 がん治療の必要のない人が治療を受け
 死亡する人がいる、

 ということです。


 つまり、検診により早期にがんを
 発見することができる一方で、
 がんではない人ががんと誤診されて
 胃を切られて死ぬ人が増えるということです。


 だいたい、定期健診の有効性は明確ではなく、
 世界で定期健診を行っているのは日本くらい。


 国家的な生体実験をしている
 と言えるのでしょう。


・長野県の「がん集団検診を止めた村」泰阜村では、
 皮肉にも胃がん死亡率が半減
しました。検診で
 「胃がんもどき」が見つかって胃を切られ、 
 早死にしている人がかなりいたのです(p36)


■著者の言いたい点の2点目は、
 がん治療の在り方です。


 だいたい、「がん」とは老化の一種。
 ほっておいても消えるものもある。


 当然、死に至る「がん」もありますが、
 それらを一律に、切ったり、抗がん剤投与するのが、
 本当に患者のためになっているのか、
 ということです。


 特に高齢の患者については、
 「がん」と闘うのではなく、
 「がん」と共生していく。


 残された時間を
 病院のベッドの上で過ごすのではなく、
 自分のため、家族のために使うこともできるのです。


スキルス胃がんの手術をした患者はほぼ全員、
 数ヵ月から3年以内に亡くなっている

 一方、スキルス胃がんを放置した僕の患者はほぼ全員、
 ふつうに暮らして、3年から10年近く生きています(p4)


■原子力に隠れた課題があったように、
 医療にも隠れた(隠された?)課題が
 あるのかもしれません。


 厚生労働省、医師会の反論を待ちたいと
 思います。


 近藤さん、 
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・食堂がん、子宮頸がん、前立腺がん、舌がん、膀胱がん、
 咽頭がんなどは、欧米では放射線治療がスタンダード(p8)


・50歳以上の男性の2人に1人は、死亡後解剖すると
 前立腺がんが見つかりますが、おとなしく無害で、
 生涯大きくならないので「潜在がん」と呼ばれています(p28)


・PSAは前立腺特異抗原。PSA値が4を超えた人に
 精密検査を行うとよくがん細胞がみつかりますが、
 その9割以上は「がんもどき」。2011年、米国の
 予防医学作業部会は「PSA検査が死亡率を下げた
 という証拠は見つからない。PSA検査はすすめられない

 という勧告案をまとめています(p91)


・すい臓がんの切除手術は5年生存率が
 100人中1人という少なさなのに、
 患者の多くは手術に追いこまれている(p130)


・抗がん剤はすべて猛毒
 抗がん剤だけはやめなさい。
 これは僕の口癖です(p134)


・2012年、アメリカの有名な医師会誌に紹介された
 5年がかりの5万人調査でも、5段階評価で 
 「最も医療に満足し、お金も使う患者グループは、
 最も医療費が少ないグループより、死亡率が26%も高い」
 という、医者が青くなりそうな結果が出ていました(p154)


【私の評価】★★★☆☆(75点)



■目次

第1章 「がんもどき」で早死にする人
第2章 アンジェリーナ・ジョリーの真似はするな
第3章 がんで長生きしている3ケースと、早死にした3ケース
第4章 がん検診を受けた人ほど早死にしているのはデータで明らか
第5章 なぜ医者はがんの手術をしたがるのか
第6章 抗がん剤だけはやめなさい
第7章 「本物のがん」を切ってもたたいても無意味なワケ
第8章 「本物のがん」になったら、どうするか
第9章 「がんもどき」と「本物のがん」に関する素朴な疑問にお答えします


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