「日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら」北野 幸伯
2013/12/06|

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【私の評価】★★★★★(90点)
内容と感想
■メールマガジン『RPE(ロシア政治経済ジャーナル)』で、
国際情勢を分かりやすく解説してくれる
北野さんの新刊本です。
北野さんがいつも主張している
日本自立のためのアドバイスを
プーチンに語ってもらいましょう。
・1 『戦わない』のが一番いい。
2 それでも戦う羽目になったら、仲間をたくさん集めて、相手にあたる。
3 『孤立=破滅』と心得るべし。(p62)
■国家自立の肝は、
「経済」と「エネルギー」と「食料」です。
経済対策としては、
不況・デフレの脱出が必要。
日銀の異次元緩和はアクセル。
消費税増税はブレーキ。
これは、あまり統一感がないですね。
食料については、自給が基本。
TPPにおいても、
食料の自給だけは守っていく必要があります。
プーチンの助言によれば、
給食を100%米食にすればいい。
・日本政府は「TTP交渉」で、「08年の食料危機時、多くの国が穀物の輸出を制限した」・・「食料危機と輸出制限が繰り返される可能性があるかぎり、国民の命を守るため、食品関税(特にコメ)の完全撤廃はできない」とハッキリいうべきです(p146)
■そして、エネルギーについても、
日本は、96%を輸入しており、
非常に脆弱です。
そうした中での原子力発電所の事故で、
さらにエネルギーの価格が上昇して
しまっている。
メタンハイドレードを含めた
あらゆる国産エネルギー開発に
注力する必要があるのでしょう。
このように、気軽に国際インテリジェンスに
接することができるのは非常に
ありがたいことだと思います。
北野 さん、
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・ロシアのメドベージェフが北方領土に、韓国の李明博が竹島に、香港の活動家が尖閣に、いずれも12年7月から8月にむかったのは、なにか理由があったはずです(p39)
・第一次世界大戦時、イギリスからの恩を仇で返した日本・・・イギリスは、軍事同盟国日本に、「欧州の西部戦線に二個師団の陸軍を派兵してくれ!」と何度も要請しました。しかし、日本はなんやかんやと断って、一兵卒も出さなかったのです(p80)
・日本は戦後、洋食化によって自給率が下がっていった。ですから、「再日本食化」することで自給率を上げていく・・・給食で毎日お米を食べていれば、卒業後もお米を食べ続ける可能性が高くなる(p165)
・日本が「核」を持つとなにが起きるか
1 エネルギーを止められる・・・
2 世界中から経済制裁にあう(p314)
・覇権を狙う中国の主要戦略の一つは、『日米を分断すること』だ。なぜか?アメリカは、日本と中国が国債を買わなくなれば、財政破綻する運命にある・・・もし、日米をケンカさせ、日本が米国債購入をやめるよう誘導できたらどうなる?(p334)
▼引用は下記の書籍からです。
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 350
【私の評価】★★★★★(90点)
目次
プロローグ べドメージェフに解任されたプーチン、日本へ!
第一講義 「孤立」と「自立」のどちらを選ぶか
第二講義 食糧の自立はどうやって成し遂げるか
第三講義 「自立」のためのエネルギー政策とは
第四講義 「経済成長」と「財政再建」をいかに両立させるか
第五講義 「核兵器信仰」は日本にどんな危険をもたらすか
エピローグ プーチン「最後のスピーチ」
著者紹介
北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国
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