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「日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら」北野 幸伯

2013/12/06公開 更新
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日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

国家のリーダーが考えるべきは国益

メールマガジン『RPE(ロシア政治経済ジャーナル)』で、国際情勢を分かりやすく解説してくれる北野さんの新刊本です。北野さんがいつも主張している日本自立のためのアドバイスをプーチンに語ってもらいましょう。


国家のリーダーが考えるべきは国益です。国益とはお金と安全です。安全については、戦わないこと。仮に戦うとすれば、仲間を増やして負けないこと。孤立すると仲間が減って、太平洋戦争のように負けるのです。例えば、日露戦争をイギリスの支援で勝った日本は、第一次世界大戦時、イギリスからの欧州への派兵の要請を日本は断ってしまいました。恩を仇で返した日本は日英同盟を失ったのです。


1 『戦わない』のが一番いい。
2 それでも戦う羽目になったら、仲間をたくさん集めて、相手にあたる
3 『孤立=破滅』と心得るべし。(p62)

「経済」と「食料」と「エネルギー」

そして、国家が自立するために重要なのは、「経済」と「食料」と「エネルギー」です。経済対策としては、不況・デフレの脱出が必要です。そのために日銀の異次元緩和はアクセルを踏むのに、消費税増税はブレーキとなります。これは、あまり統一感がないので効果が出ない可能性があります。


食料については、自給が基本です。貿易の自由化を目指すTPPにおいても、食料の自給だけは守っていく必要があります。プーチンの助言によれば、給食を100%米食にすればよいのではないでしょうか。


つまり、日本は戦後、洋食化によって自給率が下がりました。だから給食で毎日お米を食べていれば、卒業後もお米を食べ続ける可能性が高くなるですから、「再日本食化」することで食糧自給率を上げていくことが有効なのです。


日本政府は「TTP交渉」で、「08年の食料危機時、多くの国が穀物の輸出を制限した」・・「食料危機と輸出制限が繰り返される可能性があるかぎり、国民の命を守るため、食品関税(特にコメ)の完全撤廃はできない」とハッキリいうべきです(p146)

日本のエネルギー

そして、エネルギーについても、日本は、96%を輸入しており、非常に脆弱です。そうした中での原子力発電所の事故で、さらにエネルギーの価格が上昇してしまっています。メタンハイドレードを含めたあらゆる国産エネルギー開発に注力する必要があるのでしょう。


このように、気軽に国際インテリジェンスに接することができるのは、非常にありがたいことだと思いました。北野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・ロシアのメドベージェフが北方領土に、韓国の李明博が竹島に、香港の活動家が尖閣に、いずれも12年7月から8月にむかったのは、なにか理由があったはずです(p39)


・覇権を狙う中国の主要戦略の一つは、『日米を分断すること』だ。なぜか?アメリカは、日本と中国が国債を買わなくなれば、財政破綻する運命にある(p334)


・日本が「核」を持つとなにが起きるか
 1 エネルギーを止められる・・・
 2 世界中から経済制裁にあう(p314)


▼引用は下記の書籍からです。
日本自立のためのプーチン最強講義 もし、あの絶対リーダーが日本の首相になったら
北野 幸伯
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 350


【私の評価】★★★★★(90点)


目次

プロローグ べドメージェフに解任されたプーチン、日本へ!
第一講義 「孤立」と「自立」のどちらを選ぶか
第二講義 食糧の自立はどうやって成し遂げるか
第三講義 「自立」のためのエネルギー政策とは
第四講義 「経済成長」と「財政再建」をいかに両立させるか
第五講義 「核兵器信仰」は日本にどんな危険をもたらすか
エピローグ プーチン「最後のスピーチ」



著者経歴

北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国


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