「一回のお客を一生の顧客にする法―顧客満足度No.1ディーラーのノウハウ」カール スウェル、ポール・B. ブラウン
2013/01/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
アメリカでキャデラック、レクサス、インフィニティ(日産)を売るディーラー経営者スウェルさんの一冊です。ダントツの顧客満足度と、年商700億円はどこから生まれるのか、その秘密を解説してくれます。まず、高級車販売ということもあり、サービスに対するこだわりがものすごい。
営業時間は午前7時から午後7時。代車は無料。24時間電話での連絡OK。入口から工場までピカピカ。営業時間は、日本でも採用してもらいたいですね。
・1970年代初めのアメリカで、土曜日終日営業をしているカーディーラーはなかった。我々は土曜日営業を始め・・現在午前7時から午後7時まで営業している(p19)
興味深いのは、精神的なスローガンではなく、システムで対応しようとしているところです。たとえば、車を探す時間を短縮するために在庫管理プログラムがある。常連客をつくるためのマイレージプログラムがある。売上から礼状と苦情の手紙の比率まで、測定可能な指標を記録し、フィードバックする仕組みがあるのです。
例えば、修理が済むと顧客には次のようなアンケートを書いてもらうという。1.料金は見積りよりも(安かった 同じだった 高かった)2.約束の時間にできあがっていましたか?(はい いいえ)3.同じ箇所の修理を受けるのはこれが2度目ですか?。
あらゆることを測定し、数え上げスコアをつける改善しているのです。経営者は、各個人と各チームについて項目を設定して、その結果をフィードバックしているのです。日本でもアメリカでも成功する人は似ていると感じました。あえて言えばアメリカでは、より「数字」で考えるということでしょうか。その点では、アメリカのシステムのほうが汎用性がありそうです。
スウェルさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・床は毎晩磨かれる・・・顧客がここにやって来て、清潔で、床もピカピカに光っているのを見たら、おそらく、「ウーン、ここはちょっと違うな。よそより手入れがいいようだ。・・・と言うことだろう(p190)
・部下というのは実に多くの時間を費やして上司のすることを見ているものだ。だからもし部下に職業倫理を求めるなら、上司自らがそのように振る舞わねばならない(p209)
・検査責任者は人を怠惰にする。もし誰かが仕事をチェックしていると知ったら、自分でチェックをしなくなる(p55)
・セールスマンが素晴らしい成績をあげたとすると、彼があまりに稼ぎ過ぎるということで、会社がその地区を分割することがよくある。これは間違いだ。なぜもっと稼げるように協力してやらないのだろう?(p166)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
1章 何をしてほしいか顧客に尋ねよ...そしてそれを与えよ
2章 いつも優れたサービスを提供するには
3章 従業員と顧客にいかに対応するか
4章 スコアをつけてつねに高い目標を目指す
5章 優れたサービスを支える給与制度
6章 リーダーシップとはやって見せること
7章 イメージづくりが大切
8章 売りやすい商品を開発する
9章 他人のアイデアをどんどん取り入れる
10章 顧客へのメッセージ
11章 顧客を呼び戻せ
著者経歴
カール・スウェル(Carl Sewell)・・・サザン・メソジスト大学卒。1967年、父の経営するスウェル・ビレッジ・キャデラック社に入社、以後、テキサス州ダラスを本拠地に自動車の販売・メンテナンスサービス業に専念する。現在、スウェル・ビレッジ・キャデラック・ダラス会長、スウェル・レクサス・ダラス会長、スウェル・キャデラック‐シボレー・ニューオリンズ会長、スウェル・ビュイック‐ヒュンダイ‐GMC・トラック・ダラス会長
ポール・B・ブラウン(Paul B. Brown)・・・『ビジネスウィーク』『フォーブス』『インク』などのビジネス誌の記者、エディターを務め、顧客サービスに関する講演も行なう
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