「ジャスト・スタート 起業家に学ぶ予測不能な未来の生き抜き方」レオナード・A・シュレシンジャー他
2013/10/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
米国マサチューセッツ州にあるバブソン大学で教えている「起業家精神」をまとめた一冊です。なんと、起業家精神教育に特化した大学で、そのMBAコースは「大学ランキング」で20年間ナンバーワンだという。著者のシュレシンジャーさんは5年間学長を務めています。
この本で教えるのは、行動することです。予測不可能なことは、行動してみなければ結果はわからないということです。行動すれば、結果が得られ、また修正して行動する。これをうまくいくまで続けるのです。
・不確実な状況を予測可能と見なしても、うまくいかない(p15)
こうした「行動」の大切さを基本としながら、致命的失敗をしないために、許容限度を決めておくことも大事です。リスクのある状況では、行動を開始する前に失っても許容できる限度を決めておく必要があるのです。
また仲間を集めて、役割を与えることが大切です。新たに参加した人に対して、ただちに実際の作業を割り当てることで不安を減らすことができます。どんなに小さな仕事でも構わないので、役割を与えて居場所を与えてあげましょう。
自分のやりたいことを見つけるという項目では、情熱的である必要はない。物事を始めるだけの意欲があれば十分だとしています。情熱は必要ないとは!米国ナンバーワンらしい内容でした。日本にもこうしたことを教える大学が増えるといいのですが。
シュレシンジャーさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・起業家は結果に満足するまで・・・この「行動する→学ぶ→活かす」というプロセスを繰り返す。(p30)
・起業家に欠かせない資質は粘り強さだ。わき目も振らず、立ちはだかる困難を物ともせずに、ひたすら目標を頭に思い描く力である。(p61)
・行動すれば常に何らかの発見があるが、考えるだけでは何も見つからない(p170)
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【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
1 未知の状況に直面したら
2 不確実なことにチャレンジする
3 クリアクションを実践する
著者経歴
レオナード・A・シュレシンジャー( Leonard A. Schlesinger)・・・ハーバード・ビジネススクールで20年間教鞭をとった後、アパレル大手のLimited Brands Inc.副会長兼営業部長を経て、2008年7月、バブソン大学第12代学長に就任。現在は同学名誉学長およびハーバード・ビジネススクール(ベイカー財団記念講座)教授。ハーバード大学で博士号、コロンビア大学でMBA、ブラウン大学で文学士号を取得。著書も多く、邦訳に『バリュー・プロフィット・チェーン』『カスタマー・ロイヤルティの経営』(いずれも共著、日本経済新聞社)などがある。
チャールズ・F・キーファー( Charles F. Kiefer)・・・マサチューセッツ工科大学で物理学および経営学を専攻。米上院やマサチューセッツ工科大学などの職員を経て、「組織学習」と呼ばれる概念および手法を提唱する企業経営コンサルティング会社Innovation Associates Inc.を設立、現在も会長を務める。グローバル企業の経営陣に対して、人材の活用を最優先するためのアドバイスを行なっている。
ポール・B・ブラウン( Paul B. Brown)・・・ニュージャージー州立ラトガース大学で文学士号および法学博士号を取得。「ビジネス・ウィーク」「フィナンシャル・ワールド」「フォーブス」などの経済誌の記者・編集者を経て、現在は「ニューヨーク・タイムズ」にコラム"What's Offline"を執筆中。
読んでいただきありがとうございました!
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