「四大帝王を直撃! 偏愛ワイン録」葉山 考太郎
2013/01/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
正月気分でワインの本を3冊ほど読みふけっていました。やはり面白いのは、この一冊。ワイン界の有名人4人のインタビューです。100点ポイントのロバート・パーカー。ワイン評論家のヒュー・ジョンソン。有機農法のニコラ・ジョリイ。イタリアの優良醸造家アンジェロ・ガイヤ。この人たちの偉大さ、わかりますでしょうか?
やはりワイン界においての革命は、パーカーの100点評価であったことがよくわかります。それまで抽象的に評価されてきたワインをパーカーが、自分の感覚で100点満点で評価したのです。それまで光の当たっていなかった優良ワインの価格が高騰。それまでのブランドワインは、ウカウカできなくなったのです。
・ワイン雑誌『ザ・ワイン・アドヴォケイト』・・・パーカーみずからワインを試飲し、100点法で超辛口の評価をした(p20)
著者のワイン談義もおもしろい。著者はボストンでの5年駐在で、ワインを1000本も買い込んでいます。ムートンの1983年が一本40ドルならケースで買いますよね。私は半年のニューヨーク駐在中に、ワインを40本買いました。著者はワイン気狂いですが、その気持ちはわかります。
葉山さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・ワインの香りは難解だけれど、法律関係の文書はもっと難解だろう?・・・ワインでも、同じようにシンプルにしたかった(ロバート・パーカー)(p48)
・化粧は、ワインにとって樽香のようなものだ。本物の美人は、ほとんど化粧を必要としない(ニコライ・ジョリイ)(p82)
・化学肥料が人工の食物なので、ワインが病的になるし、除草剤は土地の生命を殺す。世界のぶどう畑の98%は、薬品に侵されているんだよ(ニコライ・ジョリイ)(p83)
・だから、いまのイタリアのワイン法は、百年たっても何も改善されず、何も変わらないと思うよ。イタリアにはいろいろな法律があるけれど、だれも守ろうとしないし、なんとか裏をかこうとする。それにより個性が爆発し、新しいものが生まれるんだ(アンジェロ・ガイヤ)(p118)
・ワインにはブショネの危険性があるコルクではなく、スクリューキャップを使うべきだ・・・ワインは、ワインそのもののよさが評価されるべきであり、その状態が評価されるべきではない(ヒュー・ジョンソン)(p63)
・世の中には二種類の人がいる。「何でも知っているけれど、何も理解していない人」と、「何も知らないが、何でも理解している人」だ。(ニコライ・ジョリイ)(p89)
【私の評価】★★★★☆(83点)
目次
一夜漬け「世界のワイン勢力図」
1 帝王インタビュー
ロバート・パーカー、世界を変えたワインの帝王
ヒュー・ジョンソン=ワイン+旅行+ガーデニン
ニコラ・ジョリイ、才気あふれる過激な教祖様
アンジェロ・ガイヤ、ピエモンテの「燃える闘魂」
2 ワイン漫筆
今夜もワインパーティー大盛会
アメリカのワインショップ怪事情
中国、インドの困った人々
ワインスノッブのB級グルメ道 他
著者経歴
葉山 考太郎 (ハヤマ コウタロウ) ・・・1954年生まれ。エンジニアリング系の本業のかたわら、シャンパンとブルゴーニュを愛するワインライター。雑誌などにワインについて連載。
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