「日本「地下経済」白書(ノーカット版)―闇に蠢く23兆円の実態」門倉 貴史
2012/10/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
2003年頃の資料ですが、風俗やパチンコなどのギャンブル、犯罪規模についてまとめた一冊です。表の経済だけでなく、裏の経済があることも理解しておく必要があるのでしょう。
・職種別にみた風俗嬢の時給ランキング
1 AV女優(プロ) 1万7千円~3万1千円
2 ヌードグラビア 8千300~2万5千円
3 ソープランド 1万2千500円程度
4 ファッションヘルス 5千~1万2千円程度
5 キャバクラ 2千~5千円程度(p33)
面白いのは、北朝鮮の悪行でしょうか。偽ドル製造。覚せい剤製造。在日やパチンコ業界から資金吸い上げ。ブッシュ大統領は、北朝鮮、イラン、イラクを悪の枢軸と表現しましたが、実際にそうなのかもしれません。
・(2003年)海上保安庁が、北朝鮮船籍のすべての船舶に立ち入り検査を実施するなど、監視体制を強めたことで北朝鮮ルートが遮断され、その結果、覚せい剤が品薄となってきた。需要の拡大に供給が追いつかなくなり、国内の末端価格は急上昇(p161)
それ以外にも、高級車って、100台のうち1台は盗まれるんだ・・・意外とびっくりする数字があるものです。犯罪者も仕事としてやっていますので、すごいですね。
門倉さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・1980年にグリーン・カード(少額貯蓄等利用者カード)実施を盛り込んだ法改正が国会を通過した直後、わずか三か月で銀行などの金融機関から郵便局へ大量の資金の預け替えが生じた。・・・不透明な資金が比較的安全とみられた郵便貯金に大挙して流れ出たのである(p6)
・ストリップ劇場・・・萩本欽一さん、渥美清さん、東八郎さん、ビートたけし(北野武)さんなど、ショーの幕間に行われるコントなどをきっかけとしてデビューした芸能人は少なくない(p66)
・「書店における万引きに関するアンケート」調査によると・・・一店あたりの年間被害金額は平均210万円で、これは書店の売り上げの1~2%に相当する。平均的な書店の税引前利益が売り上げの10%程度(p86)
・フィリピン人エンターテイナー・・・毎月受け取っている給料は15万~20万円程度である・・・残りの三分の二である30万~40万円が毎月お店の経営側のふところに入っている計算になる(p146)
・車種別の盗難率(2003年中)(千台比)
アリスト 10.1
ランドクルーザー7.1
セルシオ7.0
シーマ5.9(p153)
・外国人による薬物事犯(営利目的)の多くはイラン人で占められる(2004年は20%)・・イラン人密売グループは、繁華街を歩いている高校生らに、カタコトの日本語で「エス(覚せい剤の俗称)アルヨ」などと声をかけ・・(p164)
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
目次
第1章 欲望とフーゾクの地下経済
第2章 身近な「悪」の地下経済
第3章 犯罪と地下経済
第4章 日本と世界の地下経済
著者経歴
門倉貴史(かどくら たかし)・・・1971年神奈川県生まれ。エコノミスト。慶應義塾大学経済学部卒業後、横浜銀行のシンクタンク、浜銀総合研究所の研究員となる。社団法人日本経済研究センター、東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向を経て、2002年、第一生命経済研究所に移籍。経済調査部主任エコノミストとして、アジアやBRICs諸国についての論文を数多く発表する。2005年同研究所退社。2006年にBRICs経済研究所代表に就任
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