「日本文明の興廃 いま岐路に立つこの国」中西 輝政

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日本文明の興廃 いま岐路に立つこの国

【私の評価】★★★★☆(80点)


■地味な本ですが、
 日本の将来を考えた一冊です。


 天皇制から始まりますが、
 全体的には日本が国家主権を持った
 普通の国となることを目指すというもの。


 国家の盛衰は、
 その国民の精神のあり方で決まります。


 その日本精神の発露として、
 国家的な判断がなされ、
 外交が行われるわけです。


 戦後の外交を見ていると
 日本の将来に不安を持つのは
 当然ではないでしょうか。


・中国・韓国の内政干渉を受け入れてきた日本政府・・・
 「靖国参拝反対」という国際ルールを無視した内政干渉・・・
 2002年5月の瀋陽・日本総領事館への中国官憲の侵入・・・
 「日本の主権は尊重する必要のないもの
 と受け取るであろう(p228)


■著者の考えは、
 日本の外交は戦前から変わらないということ。


 過去の歴史を見ると、
 国際社会は配慮してくれるだろうと、
 何も発信しない、抗議しないことで、
 日本に不利な状況が生まれてしまう。


 そうした状況になってしまってから、
 急に原則論に従って
 強硬的な行動に出ざるをえなくなる。


 この繰り返しが日本の外交であった、
 ということです。


 最初から、日本の強い立場を示していれば、
 相手国も簡単には行動できないのです。


 冷静に対応しているから、
 間違ったメッセージを
 相手に与えてしまう


 尖閣諸島にしても、中国共産党が1992年に、
 尖閣諸島、西沙・南沙諸島を中国の領土とした
 「領海法」を施行したときに、
 現在の中国共産党のような厳しい対応を
 取るべきであったということです。


 中国共産党からしてみれば、
 法律を作ってしまった時点で、
 尖閣諸島は中国共産党のものであり、
 その時の対応で勝負は決まったのです。


・日本が国際連盟を脱退した直接の原因は、
 満州国の成立を認めないとする「リットン調査団」の報告書に
 反発したからである・・・もし日本が事前に、
 「報告書の内容しだいでは、国際連盟を脱退する」という
 態度をちらつかせていれば、報告書はより決定的に
 日本寄りのものになっていただろう(p198)


■他国による日本の主権の侵害→
 日本は反論しない→
 日本に不満が蓄積→
 日本の不満の爆発。


 歴史的に日本にはそうした傾向があり、
 そうならないように
 日頃から日本の主権を当たり前に
 主張すべきというのが、
 著者の考え方です。


 冷静に対応していると、
 調子にのって攻めてくるのが
 外交なのでしょう。


 中西さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・当時のフランスは、隣国ドイツでヒトラーが出現し
 ナチスが強大化していくにもかかわらず、
 「やがて豊かになればドイツは民主主義になる」
 「ナチスの強大化した軍備も自分たちに向かうことはない」
 ととらえ自国の防衛にほとんど手を打っていなかった(p78)


・中国は依然として北朝鮮に大きな影響力を保持し、
 北の核・ミサイル開発にも多かれ少なかれ関与してきたのである。
 ここにも反日デモと同様の構図がある。
 つまり、「手を焼いている」のではなく、
 密かに「手を貸している」のである。(p305)


・日本を孤立させ包囲し開戦へと追い込もうとするソ連や
 中国、そして英・米などの企図があれほど明白だったのに、
 みすみす相手の術中にはまったという点では、
 たしかに今日でも反省を要する
 「愚かな戦争」であったといえようが、
 ドイツのように初めから明確は侵略意図があっての
 「邪悪な戦争」では断じてなかった(p186)


・これまでなぜ日本だけが、これほど強く戦争責任を
 問われてきたかということである・・・
 朝鮮戦争では米軍を中心とした
 国連軍と韓国人が数百万人も殺されている。
 これは共産中国が北朝鮮に味方して戦ったことが大きい・・・
 国際社会は中国の戦争責任を問うこともなく
 1971年には北京政権に国連の
 常任理事国の座を用意しているのである(p219)


・アメリカはいち早く京都議定書から脱退した。
 それは、ヨーロッパがいまのまま何の努力も要さず
 目標達成が可能なのに対し、
 日米はその経済競争力に大きな制約を
 加えられることになるからである(p108)


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中西 輝政
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【私の評価】★★★★☆(80点)



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