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「本質を見抜く「考え方」」中西 輝政

2008/04/21公開 更新
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本質を見抜く「考え方」


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 海外旅行が普通になって、海外の経験を持つ人が増えていることはよいことだと思います。海外での経験が、その人の視野を広げるからです。その点、著者は学者ではありますが、海外での経験も長いようで、視野が広いな~、というのが第一印象です。


 この本でいう「考え方」は、3つに分けられます。1つ目は、基本的な考え方。2つ目は、欧米の考え方。3つ目は、著者の考え方です。


 1つ目の基本的な考え方とは、よく私たちが間違えそうな考え方を指摘したもので、例えば、「正しいことと効率的なことを分けましょう」というようなことです。


・「正しいこと」と「効率のよさ」を混同しない(p112)


 2つ目の欧米の考え方とは、著者が欧米の経験で感じたもので、例えば、欧米の戦略性などです。欧米人は、本音は別のところにあっても、理想論を口にします。まず、理念がなければ、生きていけない世界なのです。


・やはりイギリスには、外交面で日本人の思考をはるかに超える戦略性があることでした。真珠湾攻撃の十年以上も前から、アメリカもイギリスも、着々と日本包囲網をつくっていたのです。(p85)


 そして3つ目の著者の考え方とは、著者自身が気をつけている考え方で、例えば、「大きく考える」ということです。そして、考えるというのは将来への投資であるという。


 つまり、迷ったり、苦難な状況になったとき、人は悩み、苦しみ、学びます。それこそが本当の学びであり、そうした経験が人を育てるのです。まさに、苦難は幸福の門ということなのでしょう。


・国は世の中のあり方は、ほかの誰のことでもない、「わが身」の問題ととらえる視点を持って、「大きく考える癖」をつけることが重要だということです。(p148)


 このように、海外経験の長い人だけに参考となる考え方がいくつかありました。本質ははずしていないと思いますので、★3つとします。


この本で私が共感した名言

・「早く」見つけ、「遅く」行動する(p180)


・「和」と「やさしさ」の国だから敵を作らないのではなく、「和」と「やさしさ」の国だからこそ、「敵」を知ってその脅威から、その美点を守ることを考えなければならないのです。(p24)


・私はごく幼少期から、歴史が好きでした。戦国時代の武将の話など、少年向きの歴史の本をむさぼるように読みました・・・小学校ニ、三年生のころには、カラー刷りの絵入りの歴史物語の本を、友だちと取り合うようにして読んだ記憶もあります。(p68)


▼引用は、この本からです。
本質を見抜く「考え方」
中西 輝政
サンマーク出版
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

第1章 考え始める技術
第2章 考えを深める技術
第3章 間違いを減らす技術
第4章 世の中を考える技術
第5章 疑問を抱く技術
第6章 情報を考える技術



著者経歴

 中西 輝政(なかにし てるまさ)・・・1947年生まれ。スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。専攻は、国際政治学、国際関係史、文明史。


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