「人生教習所」垣根 涼介
2012/05/14|

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【私の評価】★★★★★(93点)
■小笠原諸島で
「人生の落ちこぼれ」を対象とした
自己啓発セミナーが開催された。
そこに参加した、
元ヤクザ、東大生、デブ女が、
セミナーを受けながら
ちょっとずつ変化していく小説。
人の心の描写がすごい
不思議な自己啓発書でした。
・その立場を手に入れた瞬間の自分を想像することにより、その立場を手に入れたあとで実際にどういう生活を送っていきたいか、そのことを考える方がさらに大切でしょう(p97)
■セミナー自体は、
成功への確率、
心の持ち方、
目標設定の仕方など
普通といえば普通。
小笠原諸島という
自然に囲まれた環境と合わせて
参加者が人生を考えて、
変わっていくことがわかります。
自己啓発セミナーって
こうやって人生を考え直すきっかけに
なるんだな、と再認識しました。
・あるクラスメートが、ため息をつきながらこう言いました。『世の中はくだらん』『人間もくだらん』と。するとその脇にいた友人がニヤリと笑って・・『そりゃおまえがくだらん人間じゃけ、周りがそう見えとるんじゃなかろうかいのお』(p124)
■ヤクザもんと東大生のかけあいも面白いが、
小笠原諸島の歴史も面白い。
これは小説なのだろうか。
自己啓発セミナーの擬似体験といえば、
そうともいえる。
自己啓発セミナーに行きたくなりました。
垣根さん、良い本を
ありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・つまり着地点とは、その距離を遠くに置けば人生の目標になり、近くに置けば、日々の心持ちになる・・・。(p116)
・心持ちとは、その本人が今見えている世界をどう捉えているかということですね。その捉え方の大元になるのは、どういう自意識の持ち主か・・・(p123)
・やることはやった。結果はいまさらどうにもならない。なら、前向きな想像をした分だけ得だということだろう。もう一度笑う。人生を楽しくやり過ごすコツなんて、意外とこんな些細な考え方の積み重ねかも知れない(p168)
・今の日本人自体、自分のこと以外ではあまり悩まなくていいような生活環境になっているのかもしれない・・・自分のことしか考えなくなると、人はどうしても脆弱になる(p390)
▼引用は下記の書籍からです。
中央公論新社
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【私の評価】★★★★★(93点)
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