「クライマーズ・ハイ」横山 秀夫

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クライマーズ・ハイ

【私の評価】★★★★☆(88点)


■けっこう厚い小説だな・・・
 と思って読み始めたら、
 一気に読んでしまった一冊です。


 落ちもあって
 なかなかいい。


 1985年の日航ジャンボ墜落事故で、
 墜落現場の地元の新聞記者が、
 事故の真相を追う。


 社内の派閥。
 部下と上司との関係
 家族問題。
 友人との登山。


 サラリーマンなら
 身につまされますね。


・不安と苛立ちが胸をざわめかせていた。
 唯一の部下というべき佐山を制御できずにいる自分が、
 ひどく無力な存在に思えてならなかった(p51)


■主人公は、物事をはっきり言うタイプ。


 でも心の中では、
 人間関係や自分の弱さに
 葛藤している。


 強さの中の弱さ
 理想と妥協。


 その合間で葛藤して、
 スクープを落としたりする。
 その描写がすばらしい。


・悠木は狼狽した。
 それがなぜだかわからないまま、
 今度は膝が震えだした。(p292)


■著者は元新聞記者だけあって、
 新聞社の雰囲気がよく分かりました。


 純粋に小説として面白いし、
 社会というものの勉強にもなるのでは
 ないでしょうか。


 横山さん、
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・命令や指示など幾ら出そうが、
 事件をやったことにはならない。
 記者職が染みついた人間は、
 自分が現場で目にしたことしか誇ることができない(p43)


・這い上がる意思のない人間に
 何本ロープを垂らしてやろうが無駄なのだ。
 意思ある人間は、ロープなどなくても
 必ず這い上がってくる
。(p215)


・面白いですよね。誰でもみんな、
 山に来ると不思議なほど正直になっちゃう・・・ 
 うん。なぜかな?・・・
 ひょっとしたらこれがこの世で最後の会話になる。
 無意識にそう思っているからですよ。
 山って、そういう場所ですから(p307)


・頭蓋の中で、耳鳴りのような母の声が響いていた。
 小さなことを 恐れなさい
 大きなことは どうにもならない

 小さなことを 恐れなさい
 大きなことは どうにかなるの
 小さなことを 恐れなさい
 小さなうちに 恐れなさい(p375)


クライマーズ・ハイ
クライマーズ・ハイ
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横山 秀夫
文藝春秋
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【私の評価】★★★★☆(88点)



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