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「モモ」ミヒャエル・エンデ

2011/11/04公開 更新
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モモ (岩波少年文庫(127))


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


要約と感想レビュー

 主人公の少女モモは、人の話を聞く女の子です。当たり前のことかもしれませんが、大人になると自分のことばかり話して、人の話を聞かない人が多いことに気づきます。


 あるとき、モモの前に時間を盗む男たちが現れました。男たちが人の時間を盗む方法は、人が効率性を重視するようにして、人がその瞬間を楽しむことを妨げること。

  
 自分の本当の人生とは、自分がほんとうにしたいことをすることなのです。では、仕事をすることは、金を稼いで、生きていくために必要なことですが、ある程度のお金があれば、それ以上に仕事をすることに何の意味があるのでしょうか。経済成長に意味があるのでしょうか。


 人生の時間の大半を使う仕事のなかに、どういった意味を見出しているのか、ということを言いたいのかもしれません。仕事をしている現代の私たちが、よく考えないことだと思いました。


 過去には、お金のために仕事をするのは資本による人の支配だと考え、共産主義を考え出した人がいました。ところが実際に共産主義国家を作ってみたら、共産主義こそが人の自由を制限し、人を支配してしまうことがわかったのです。人間とは頭が良いようで愚かですね。


 エンデさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。あいての話を聞くことでした。・・・ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです(p15)


・いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。(p44)


・人生でだいじなことはひとつしかない・・・なにかに成功すること、ひとかどのものになること、たくさんのものを手に入れることだ。ほかの人より成功し、えらくない、金持ちに・・・(p128)


・モモはききました。「時間て、いったいなんなの?」(p218)


・人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんじしんできめなくてはならないからだよ。だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはいけない。(p220)


モモ (岩波少年文庫(127))
ミヒャエル・エンデ
岩波書店
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)



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