「流星ワゴン」重松 清
2011/08/15公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★★(93点)
■お盆の時期に、
こんな内容の本を読むことになろうとは
思いませんでした。
暴力をふるう息子。
テレクラ中毒の妻。
リストラされた主人公。
ドラマのように
主人公は死んでしまいたいと
自暴自棄になってしまいます。
そこに一台のワゴン車がやってきた。
主人公を待っていたという。
・幽霊でも泣くんだな、と初めて知った。(p96)
■ワゴン車に乗っていた親子は、
五年前に交通事故で亡くなって、
この世をさまよっていたのです。
そして主人公をワゴンで
過去に連れて行ってくれる。
どうして息子はこうなってしまったのか。
なぜ妻は離れていってしまったのか。
過去の人生に、
主人公の父親も出てくるのには驚きましたが、
父親との対話の中で
二人の誤解も解けていく。
結局は、人生の多くのことは
主人公のちょっとした言動や判断が
引き起こしているということなのです。
・手をつないで眠った。指のからめあうのがこんなにも心地よいことなのだと、三十八年も生きてきたのに、いままで知らなかった(p332)
■過去に戻り、自分のしてきたことを
振り返った主人公は、
また新しい道を歩みはじめます。
そして幽霊の親子も。
ワゴンが自分の車と同じで、
ちょっと怖かったのですが、
人生の選択に光を与えてくれる一冊だと
思いました。
重松さんは心の動きを
書かせたら素晴らしい。
重松さん、
良い本をありがとうございました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「運命ですよね、そういうの」・・・「けっきょく、そうなんですよね、運命なんですよね。原因をさかのぼって考えていけば、最後の最後は、なぜ自分は生まれてきたんだろう、になっちゃうんですよ」(p106)
・僕らは死んでから、やっと親子っぽくなったんだよ(p211)
・逃げていいんだよ。逃げられる場所のあるうちは、いくらでも逃げていいんだ(p301)
【私の評価】★★★★★(93点)
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|
このメルマガをよんで
読んでみてすごく感動
しました。