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「箱―Getting Out Of The Box」ジ・アービンガー・インスティチュート

2011/08/16公開 更新
本のソムリエ
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箱―Getting Out Of The Box

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■世の中には、相手を下げて、
 自分を上げようとする人間がいるものです。


 仕事の失敗は、部下が原因。
 仕事の成功は、自分が原因。


 自分は優秀な管理職であると
 思っている人、
 部下はアホばかりだ、と
 感じている人は要注意です。


 こうした自分のことしか頭にない人、
 他人を人として見ていない人を
 「箱」に入っていると表現しています。


・彼らが成果を重要視するのは、
 主に、自分が優秀であるという評判を得たり、
 その評判を維持したいがためなんだ。・・・
 そういう人たちの場合、・・・
 自分だけが成果をあげようとして他の人を踏みにじる。
 そうやって悪影響を及ぼすんだ。(p164)


■「箱」に入った人の特徴は、
 自分の欠点は見えず、
 相手の欠点が良く見えるということ。


 なんでこんなこともできないんだ。
 こんな仕事、もっと短時間でできるはず。
 配慮が足りないではないか。


 自分はこんなに仕事ができて
 正しいのですから、
 相手を罵倒するのも、
 まったく気にならないのです。


 だって、自分は正しいのですから。


・たしかに奥さんの欠点をあげつらいましたね・・・
 じゃあ、自分の欠点についてはどうかしら。
 自分の感情に背いた後、バドは自分の欠点を
 まっすぐに見られたのかしら・・・
 いいえ。自分の欠点は無視して、
 奥さんの欠点ばかり見ていました(p118)


■いるよな~と思いながら、
 でもそうした人は
 こんな本は読まないんだよな~
 と思いました。


 原因は自分にあるとさえ
 気づかないのですから、
 その人が一生の中で気づくかどうか。


 気長に待つしかありませんね。


 普通の人には気づきにくい
 自己正当化という罠を
 考えさせてくれる一冊でした。


  良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・こっちが箱の中にいる限り、仮に周りの人々が
 君に従ったとしても、それは単に力に屈して、
 あるいは力を恐れて従っているだけなんだ。
 そんなものは統率力なんかじゃない。
 ただの威圧だ。(p238)


・もっとも大きな問題というのはこれだ。
 わたしには、自分が問題を抱えているということが
 見えていなかった(p23)


・重要なのはハードな内容を伝える場合にも、
 箱の外に出たままでいられるということなんだ。
 ただし、それができるのは、君が相手を一個の
 人間として見ているときに限られる。(p71)


・いいかい、人間は、相手が自分のことを
 どう感じているかわかるものだ。
 そしてそれに対して反応するんだ。(p38)


箱―Getting Out Of The Box
ジ・アービンガー・インスティチュート The Arbinger Institute 冨永 星
文春ネスコ
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【私の評価】★★★☆☆(78点)



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