「不毛地帯2~5」山崎 豊子
2011/01/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
ついに「不毛地帯」を完読しました。時代は、オイルショック前。主人公は時代の流れを読み、組織の発展のために、石油の上流権益獲得に尽力します。資源を持たない国家、日本にとってエネルギーの確保は、国家の存亡をも左右するものなのです。
私も海外の仕事をしていたこともあり、商社マンの仕事と人間関係に、多々考えさせられました。組織の中では、純粋な仕事だけでなく、派閥や役所との調整など自分でどうしようもないことがあるものです。この本は、そうした、海外ビジネスの最前線で仕事をしている商社マンの世界を垣間見せてくれるのです。
資源の獲得競争という意味では、現在はオイルショック時代に近づいているように感じます。商社マンの活躍に期待したいものです。山崎さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・日本は東南アジアの石油資源を封鎖され、大東亜戦争に突入して行ったというのに、今のような石油消費国の日本に、石油が一滴も入って来なくなったら、この高度成長、GNP世界第二位の経済大国もあぶくと消え、日本列島はまさに大パニックに陥りますよ(3巻p330)
・石油とは、アッラーの神が砂漠の民に与えた慈悲なのか、それとも、さらに厳しい試練であるのか・・。疾走する車の外に消えていったベドウィンの姿がいつまでも残った(4巻p220)
・戦闘機でも、通信関係の電子機器でも一つ獲得すれば、改良型のタイプが将来にわたってシリーズ化して、採用される可能性がある。マージンは二パーセントそこそこといっても、額が大きい上、一旦、自社の担ぐ機種に決定されれば、リスクを冒さず、確実に、しかも定期的に稼げるのであった。(2巻p235)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
著者経歴
山崎 豊子(やまざき とよこ)・・・1924年生まれ。毎日新聞社勤務しながら、小説を書き始め「暖簾」を刊行、「花のれん」で直木賞を受賞。新聞社を退職し作家生活に入る。著書多数。
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