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「日本大復活!―アメリカを救う国家戦略が黄金の時代の扉をひらく」増田 俊男

2011/01/04公開 更新
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日本大復活!―アメリカを救う国家戦略が黄金の時代の扉をひらく


【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー

米中の衝突は避けられない

私は米国に半年、スイスに半年、カザフスタンに1年ほど滞在した経験があるのですが、中国の裏側のカザフスタンでアメリカは大使館の規模を増強しているのは、なぜだろうと思っていました。日本にいるときには見えなかったものが外に出ると見えてくるものであり、増田 俊男さんに見えることがあるのでしょう。


増田さんの視点は、日本はアメリカの属国であるという事実です。そして、アメリカが中国を押さえ込もうとしているという事実です。つまり、米中の衝突は避けられないが、米国は中国の軍事力を怖れていない。しかし、人民元が強くなって、ドルが没落することは怖れている、ということなのです。


・実際のところ、アメリカは中国の軍事力を本気で恐れているわけではない。アメリカが本当に恐れているのは、中国の経済力の拡大に伴う消費大国化と人民元である。アメリカにとって重要なのは、ドル防衛なのである(p162)


日本の核武装

中国の戦略は、日本企業が投資して、立派な工場をつくり、従業員を雇い、生産活動が軌道に乗り、中国人技術者たちが技術を学び、やがて技術支援も資金援助もなしに同じ物をつるく自信ができたところで抗日・反日運動で日本の工場を破壊させ、デモを利用して日本の経営者を追い出し、あとは中国人が引き継いで経営することだというのです。


こうした中国の戦略に対してアメリカは、いずれ中国と軍事衝突が起こることを前提に準備を進めているという。同時に日本の戦力を増強しようとしています。アメリカのシンクタンクでは、日本の核武装させるためにどうするかということまで議論されているというのです。


アメリカは、北朝鮮を攻撃しないと宣言し、日本にとって北朝鮮の核の脅威を高めています。いつ、北朝鮮から日本に核ミサイルが飛んできてもおかしくない状況にあるのです。アメリカは、日本の自衛隊が自衛軍となり、さらには核兵器をもつことまでも望んでいるという。


著者の感覚では、韓国は北朝鮮の核保有に対して反対を表明しているが、本音では大賛成であり、中国も北朝鮮に核を保有してほしいと考えているという。だからこそ、アメリカは日本に核兵器を持ってほしいと考えているわけです。


・中国を・・・ブッシュ大統領は「戦略的競争者」と呼んだ。さらに、国民の宗教を認めない国として、CPC(とくに懸念される国)に指定した。これは、ブッシュ大統領が中国を自由と民主主義の敵とみなしているということである。(p39)


国家戦略の日米一致

アメリカの支配下にある日本が、繁栄を続けるためには、アメリカとの戦略目標の一致化を図る必要があるというのが、増田さんの主張です。冷静な目で国際関係を考え、国益を目指すことを『国家戦略』と言います。この本は、その『国家戦略』を考えるきっかけを与えてくれるのです。


尖閣諸島の事件前に書かれた本ですが、この本のような歴史の流れになっているように感じます。日米台と中国。ロシアはどちらに付くのでしょうか。世界の国家関係の現実を知るために、より多くの人に読んでいただきたいので★4つとしました。増田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・アメリカにとって、究極の国益とは何か-。それは、物質的な豊かさを求めることである・・・アメリカという国は、時に理想や理念を掲げているようにみえても、それは方便でしかない。(p27)


・アメリカは目的を達成するためなら手段を選ばない戦略国家である(p197)


・かつての日本も、・・アメリカの挑発に乗せられて、カッとなり真珠湾攻撃をさせられてしまった。中国に対しては、日本がかつて犯した過ちを繰り返さないように、歴史の真実を知ってくださいというメッセージを伝えていくべきである(p250)



【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次

Prologue はたして日本に明るい未来はあるか
1 国家戦略なしでは日本は敗者になる
2 迫りくる核攻撃に対し日本は無力でいいのか
3 日本の経済発展はアメリカの戦略だった
4 金融テロの可能性を恐れるアメリカ
5 日本の戦略が世界の危機を救う
6 日本大復活を実現する主権国家としての戦略


著者経歴

増田 俊男(ますだ としお)・・・1938年生まれ。大学卒業後、東急エージェンシーを経て、74年渡米し事業を展開。86年ハワイへ渡り、先住民の土地奪還請求運動に参加。95年帰国。現在、時事評論家として活動。政策提言シンクタンク発足のため精力的に活動を展開している。


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