「奇貨居くべし―春風篇」宮城谷 昌光
2010/07/21公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(83点)
■秦の始皇帝の父といわれる
呂不韋の少年時代を描いた一冊です。
呂不韋は商人の子として、
鉱山の見聞に旅しますが、そこで
楚、秦といった国の騒乱にまきこまれます。
■こうした歴史物は、そのストーリーだけでなく、
歴史と人物を通じて著者が伝えたいものの
厚みで面白さが変わるように感じました。
著者の推察力とか、見識とでも
いうものでしょうか。
物語の人物を通じて、
人生の要諦を教えてくれるわけです。
・大事業を成功させた者は、むしろ苦難をひき寄せ、
苦難に直面した者しか抽きだせない知恵をあらわし、
苦難につぶされない胆気を鍛える。(p114)
■やすやすと読めてしまいました。
次は火雲編ですね。
宮城谷さん、良い本をありがとうございます。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・商人にかぎらず、すぐれた主というのは、
身内に厳しく、他人に優しいものです。(p135)
・見聞の豊かさのうしろに知識がないと、
見聞を位置づけることも、
深めることもできない(p74)
・決断は王と大臣とがする。そのしたにいる士は、
おのれの道をさぐるために、つねに断定を避け、
四方に敵がいると想定して、変事や危難に
そなえておかねばならない。(p207)
・偉人とは困難のかたまりのようなものだ。
偉人になりたいと望むことは、天に、
死ぬほどの苦難をくださいとねだることだ。(p343)
中央公論新社
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【私の評価】★★★★☆(83点)
■著者経歴・・・宮城谷 昌光(みやぎたに まさみつ)
1945年生まれ。出版社勤務のかたわら、立原正秋に師事。その後執筆活動に取り組む。
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