「奇貨居(きかお)くべし―火雲篇」宮城谷 昌光

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奇貨居くべし―火雲篇 (中公文庫)

【私の評価】★★★★☆(89点)


■古代中国の秦で宰相となる
 呂不韋(りょふい)の人生を
 たどる物語です。


 火雲篇では、18~20歳。


 戦争で捕虜となり、
 孫先生より学びをえる。


 この学びこそが、
 火雲篇の大切なところでしょう。


・先生は努力という高山の上にいる、とわかった。
 たゆまず努力を積み上げ、いまも積んでいる、
 一日もやすまない、そういう心身の強靭さと勤勉さに 
 驚嘆すべきであった。(p80)


■現地現物が大切、
 小さい努力を積み重ねる、
 志をもつ、
 といった現代でいう成功法則というものを、
 呂不韋は孫先生より学ぶのです。


 そして、人には人格というか器があるという。


 その人格・器によって、
 その人の運命は定められ、
 あたかも決まっているかのうように、
 それに相応しい地位につくこととなるのです。


・人格の尊卑、器量の大小によって、
 人の位階はひそかにさだめられる・・・
 人は人によってしかるべき位置にさだめられる(p309)


■中国の古典とは、
 実は成功法則であるということに、
 気づきました。


 だからこそ、読み継がれている
 ということなのでしょう。


 司馬遼太郎的な物語の読ませ方で、 
 食事を忘れて読んでいました。


 宮城谷さん、
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・願いやこころざしは、秘すものだ。早くあらわれようと
 する願いはたいしたものではない。秘蔵せざるをえない
 重さをもった願いをこころざしという。(p32)


・天空を翔けるような妄想を損て、みずから山に登って
 山の高さを知り、谷におりて谷の深さを知らなければならない。
 ・・・実際の高さと深さとを体験のなかにもたない者は、
 いくら崇高な理想を述べても、それはまるで平地で爪立つ
 ようなもので、真の高識に達することはない(p73)


・努力を積み重ねてゆけば、
 人はおもいがけない力を発揮するようになる。
 自分が自分におどろくようにならねばならぬ。
 不運や不遇を嘆き、
 他人の薄情さを怨んでいるうちは、
 自分が自分を超えていない。
 努力が足りないあかしである。
 ほんとうの高みに登れば、
 展望がひらけ、風が変わる。(p82)


・苦しみに遭遇したとき、
 その苦しみからすみやかに
 のがれようとするとから、
 かえって苦しみにとらえられる。
 いっそ苦しみを満喫してやれ。
 と、呂不韋はおもった(p127)


・そこに在るものを安定と考えて、
 そこの乗ろうとする者がいる。
 ところが、そこに在るものは過去のものだと考え、
 未来の安定を求め、乗っているものが
 不安定であるとおもう者がいる。・・・
 そういう未来像を描ける頭脳を活かすのが
 真の経営者であろう(p187)


・人に会ったら、まず問え、
 賢人のみならず愚人もまた師なり、
 と孫子はいっていた(p190)


・人の貌(かお)とはふしぎなもので、
 ときには多弁になる。
 黙っていても、貌そのものが語りはじめている。
 なによりふしぎなのは、本人がそのことに
 気づかないということだ(p31)


・人が生きてゆくということは、
 無知な自分を発見しつづける旅であるようだ(p264)


・虫が虫のままで終わりたくないのはわかるが、
 竜に化すのは、時と所とを得なければならぬ。
 耐えるということが力をたくわえることであることが
 わかる者は寡(すくな)い(p279)


・呂不韋は、知をたくわえることによって・・・
 情を知によって制御しようとするようになった・・・
 この人は嫌いだ、というのが情の声であれば、
 この人の思想と苦悩はわからぬでもない、
 というのが知の声である。(p312)


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宮城谷 昌光
中央公論新社
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【私の評価】★★★★☆(89点)



■著者紹介・・・宮城谷 昌光(みやぎたに まさみつ)

 1945年生まれ。
 出版社勤務のかたわら、立原正秋に師事。
 その後執筆活動に取り組む。


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