「この思いを伝えて...人間って本当は優しいんだよ」大沼 えり子
2009/07/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
料亭の女将でありながら、ラジオのDJであり、保護司としても活動している大沼えり子さんの一冊です。本書の内容は、2007年にはTBS系のドラマ「ガラスの牙」として放映もされています。
大沼さんの凄いところは、その実行力です。大沼さんは少年院を見学したとき、その少年院の冷たい雰囲気と、そこに両親の愛をもらえず収監された子どもたちにショックを受けたそうです。私は両親の愛をたくさんもらって育ちましたのでまったく想像できませんが、世の中にはひどい両親に育てられる人もいるようです。
少年院の子供たちになにかをしてあげたい。そこで思いついたのが、子供たちのリクエスト曲を中心としたDJ番組をプレゼントすること。もちろん本業のラジオのDJ番組を制作しながらのため、制作している仲間の協力が不可欠ですし、自分の少ない時間をやりくりする必要もあるのです。しかし、大沼さんは行動力でそれらの障害を乗り越えていきます。
自分にできることは小さくても、とりあえずやってみる。そうした小さな力が集まったときに、なにかを動かすような気がしました。現在はロージーベルという子供たちを受け入れる組織を運営されています。心が熱くなる一冊でした。本の評価としては★4つとしました。
この本で私が共感した名言
・「私ね、お父さんにもお母さんにもそんなに心配されたことない。いつも怒られて、殴られて。優しくされたことなんてない。私は好きなのに、私は好きなのに、何で?ねえ、先生、何で?私の何が悪いの?何で嫌われるの?何で?」(p112)
・こんな調子で少年を連れ出し、一緒にソフトクリームを食べながら、アイコンタクトよろしく、生き方、友達との付き合い、その他もろもろの話ができてしまう(p44)
・私の夜は忙しい。家の仕事をこなした後に・・・文書を書いたり、曲を作ったりもしているが、何より夜中の楽しみは読書だ。(p94)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
1章 なぜか君たちのこと、大好きなんだもん
2章 君たちだけのためのクリスマス番組
3章 愛が届いた!通じた!
4章 神様と少年たちがくれた贈りもの
5章 一人ぽっちじゃないんだよ
著者経歴
大沼 えり子(おおぬま えりこ)・・・宮城県出身。大学在学中にラジオDJを始め、東京、仙台を中心にテレビ、ラジオなどでシンガーソングライター、DJとして活躍。結婚後、嫁ぎ先の割烹の若女将の仕事をしながら、保護司として尽力。現在、少年を受け入れる少年の家「ロージーベル」設立を目指している。
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