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「デッドライン仕事術」吉越 浩一郎

2008/04/04公開 更新
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デッドライン仕事術 (祥伝社新書 95)


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 女性のランジェリー、天使のブラ・・・といえば、トリンプです。このトリンプを社長として19年連続増収・増益に導いたのが、著者の吉越 浩一郎さんです。成果が出ているのですから、そこには理由があるはずです。


 その秘密こそ、「デッドライン仕事術」。つまり、仕事の締切日を決めるということです。社長が中心となった早朝会議で、やるべきこと、担当者を明確にして締め切りを設定するのです。それも、基本は明日。ぎりぎりでできる納期を設定しているようです。


・すべての仕事に「○月○日」という締切日を入れる・・・すべての仕事は「何を、誰が、いつまでに」を明確にする(p58)


 さらに、仕事に期限を決めるだけでなく、残業をしないという方針が加わります。なんと、定時を過ぎると会社の電気が消えていくというのです。でも、そのように会社から強制されると、その時間の中で頑張って、それなりの結果を出すのが人間のようです。


 もちろん会議の資料は、きれいなパワポを作る必要はありません。資料を作成するのが仕事ではなく、期限までに要求されたことを行うのが仕事なのです。ちょっと汚くても、手書きでも求められたことを完了すればよいのです。きれいな資料よりスピード重視ということなのでしょう。


・「仕事量が多いから残業せざるを得ない」のではなく、「残業すればいい」「休日出勤すればなんとかなる」と思っているから、就業時間内に仕事が終わらないのだと思う。(p4)


 このメルマガも、一日一冊という締め切りがあるからこそ、一日一冊読んでメルマガを発行できているのでしょう。「デッドライン仕事術」は本質を突いた仕事術であり、わかっているけれども、それがなかなかできないんだよな~、という内容の一冊ということで、★5つとしました。


この本で私が共感した名言

・残業さえなくなれば、仕事を続ける女性の数は何倍にも増えるだろう。(p22)


・「この店は、やるの?やらないの?」「うーん、ちょっと迷っているんです」「だったら、やっちまえ!」・・・直営店が成功するかどうかは、やってみなければわからないことだ。(p93)


・人間は怠け者なので、自分を追い詰めて早く目標を達成しようとするなら、やっぱり有言実行が一番だ。(p138)


・デッドラインを決めたということは、「それまでに終わらせろ」と指示しただけでなく、「それまではおまえに任せた」と告げているのと同じことだ。(p169)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★★(90点)


目次

第1章 仕事のスピードを3倍にする―まず、残業を止めてみる
第2章 即断即決―どうすれば決断力は身につくか
第3章 キャリアアップできる人間の思考法―仕事はゲーム、技は盗め
第4章 「会議」と「デッドライン」で部下を動かす―簡単で効果抜群なマネジメント手法



著者経歴

 吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。


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