「欲望が人間の器を決める」竹村 健一
2007/09/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
今も現役の竹村健一先生のポリシーは、自分のやりたいことをやれ、ということです。やはり人間というものは、自分で考え、自分がやりたいと思ったことには、やる気が出るのです。(当たり前か?)やる気を持ってやったことには、必ず結果がついてきます。
・自分がやりたいことをしていれば、そのことがいずれは役に立つ(p54)
現実には、やりたいことができないから人生は難しいのだと、反論したくなるのはわかります。そこは、仕事がやりたくないから手を抜くということではなく、仕事の中に、自分のやりたいことを探すということなのでしょう。
・私は仕事が好きでやりたい人は打ち込めばいいし、それほど仕事をしたくないならば、無理に打ち込む必要はない・・・私の場合は、仕事がおもしろかったから、五十歳まではそれこそ猛烈に仕事をしてきた(p202)
私も30歳にして、「自分のための人生」という言葉の意味を強く考えたことがありました。それまでの自分は、自分の価値観のためでなく、他人の価値観のために生きていたことに気づいたのです。自分の価値観のために仕事をすれば、そこに迫力が生まれ、自分に強さを与えてくれることに気づいたのです。
・人それぞれ、後悔しない人生を歩むためにも、自分の欲望にそった道を歩めばいいのだ。結果は後からついてくるものであって、人生は結果オーライではなく、現在いかにして充実して過ごすことができるかが問題なのだ。(p92)
竹村先生だからそんな生き方ができるのだと思うのは簡単ですが、成功者に共通する考え方が見えてきます。自分を知る、自分でやることを決める、自分を楽しむということです。竹村先生は、自分で明かりをつけて生きなさいと言っています。
・自灯明・・自分で明かりをつけて生きなさいということである。子供に対しても、自分の足でしっかりと立って、歩んでほしいと願っている・・・「勉強しろ」などと一度も言ったことがない(p98)
古い本ですが、「自分のための人生」を考えるきっかけになる本だと思います。★4つとしました。
この本で私が共感した名言
・せっかくこの世に生まれてきて、やりたいこともできずに人生を終わるのでは、その人が生きてきた甲斐がない。もっとも大切なことは、自分がやりたいことをして、人間らしく生きられるかどうかである。(p16)
・私の場合は、周囲や世間が何と言おうと、自分のやりたいこと、欲望は正直に出してきた・・・ただし、そういう生き方を貫く途中で、周囲や世間からあまり孤立するのも、やはり寂しいものだ。(p31)
・窓際に回されても、実質的に困ることは何もない。ただ自分のプライドが傷つくだけだろう。・・・むしろ仕事が暇な部署に回されたならば、自分の時間が持てるようになる・・・と発想を転換すればいい。(p133)
・上がるという人は、やはりどこかに自分を格好よく見せたい気持ちがあるのだ。(p180)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
プロローグ 「欲望」が人間の器を決める
第1章 前向き思考で自分に正直に振る舞え
第2章 自分の欲望に忠実に生きてそれでもうまくいく方法
第3章 自立した精神を持てば、本音で生きていける
第4章 人間関係にとらわれなければ、自分が生かせる
第5章 逆発想で何事も「やってみなはれ」の精神で取り組め
エピローグ 自分の器を作るための生きる姿勢
著者経歴
竹村 健一(たけむら けんいち)・・・1930年生まれ。新制京都大学に入学。フルブライト奨学金制度の第1号としてアメリカ(シラキューズ大学)に留学。毎日新聞社の英語新聞Mainichi Daily Newsの記者、山陽特殊鋼調査部長、追手門学院大学英文科助教授、拓殖大学客員教授などを経て、政治評論家。
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