「ナチスの発明」武田 知弘
2007/07/13公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
ロケット、ジェット機、ヘリコプター、聖火リレー、高速道路、テレビ電話、合成ゴム、テープレコーダー・・・なんとこれらを開発したのは、「ナチス・ドイツ」なのです。ナチス時代に、数多くの科学・技術が開発・実用化されたのは、事実なのです。
・世界で最初に、一般向けの定時テレビ放送をはじめたのはナチス・ドイツである・・・現代にも通じるような娯楽番組が用意された(p54)
ナチス・ドイツは、第一次世界大戦敗戦による大不況のドイツを大規模公共事業と大減税により復活させます。また、大衆のための自動車開発、娯楽の提供、オリンピックの開催など、国民の支持を得るだけの実績を作っていました。
現在の3大自動車メーカーのひとつであるフォルクス・ワーゲンは、ヒトラーの大衆車を作るという政策のもとにポルシェが技術協力したものなのです。
・フォルスク・ワーゲンンは、ナチスとポルシェの合作である。ヒトラーはもともと大衆車を作りたいと、熱望していた。(p101)
ナチス=ユダヤ人虐殺の極悪非道というイメージがありますが、ナチスは、国民の支持を得た合法の政党であったわけです。合法な手続きによってヒトラーはドイツを支配し、専制国家を作り上げたのです。
・ユダヤ人を迫害したのは、実はナチスが最初ではない。・・・ユダヤ人から様々な権利を剥奪し、結婚や出産も制限する、これはキリスト教国の多くが行ってきたことだった(p162)
近代史を学びたい人、イメージだけではなく、歴史の事実をバランスよく知りたい人にお薦めします。★3つとしました。
この本で私が共感した名言
・労働者クラスの人たちは、とてもバカンスなど取れるものではない。しかしバカンスを、だれでも取れるようにしていた国がある。ナチス・ドイツである。(p106)
・ナチスが国民の指示を集めた理由の1つに、共産主義への恐怖がある。・・・当時の共産主義は、革命のために武力、暴力を使うことをいとわなかったので、共産主義者による破壊活動や誘拐、殺人が日常茶飯事に起きていた(p158)
・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、党大会の模様を収めた映画「意志の勝利」を15回以上も見て、ヒトラーのパフォーマンスからファンを陶酔させる手法を学んだ(p20)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
第1章 世界を変えたナチスの発明
第2章 ナチスのめざしたユートピア
第3章 だれがナチスを作ったのか?
第4章 夢の残骸
著者経歴
武田 知弘(たけだ ともひろ)・・・1967年生まれ。大学中退後、塾講師、出版社勤務を経て、2000年からフリーライターとなる。裏ビジネス、歴史の秘密など著述活動を行っている。
ナチス関連書籍
「わが闘争(上・下)―国家社会主義運動」アドルフ・ヒトラー
「ヒトラーの正体」舛添 要一
「ナチスの発明」武田 知弘
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 42,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|発行者の日記
コメントする