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「教科書には載っていない!ワケありな紛争」武田 知弘

2011/12/23公開 更新
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教科書には載っていない!ワケありな紛争


【私の評価】★★★☆☆(77点)


要約と感想レビュー

 平和な日本にいるとわかりませんが、世界には紛争地域がたくさんあります。テレビで報道しないせいもありますが、私を含めてあまりにも知識と情報がない。平和ボケといわれる原因なのでしょうが、それなら勉強すればいい、と思い購入した一冊です。


・1949年に国共内戦に勝利した中国共産党の建国を宣言するとまるで自国の領土を平定するかのようにチベット高原に攻め込んだ・・・中国の見解は、「チベットは昔から中国の領土である」(p94)


 歴史を見てみると、力のある国家が国益を最大化しようと横暴なことをしてきたことがわかります。国際社会のなかで、力のある国家がシナリオを描き、それを実行していく。そうしたなかで、力がない国家は、力のある国家に翻弄され続けてきたのです。


・中東の王国が民主化せずに生きながらえてきたのは、アメリカとの密約があったからだといわれる。つまり「石油取引をドル建てで行う代わりに、アメリカは中東を攻撃しない。中東の国家を脅かす存在からアメリカが守る」(p58)


 それが現実とすれば、理想からは程遠いことです。しかし、そうした現実を直視しないのも、現実的ではない。英語でいえば、ナイーブと言われるのでしょう。ミャンマーの項の地図がいくつか間違っていました。修正をお願いします。


 武田さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・スーダン政府は中国や日本に輸出して得た金で、中国から武器を購入していた。・・・日本は、中国ほどではないにしろ、スーダンと巨額の貿易を行っている(p164)


・共産主義の孤児「北朝鮮」・・・日本人を拉致して連れ去ったかと思えば、日本海にミサイルを撃ち込み、揺さぶりをかけてくる。核兵器の開発にも着手しており、覚せい剤や偽札などの密造にも国ぐるみで関わっている(p80)


・イギリスはミャンマーを支配すると、厳格な身分制度を敷いた・・・最上位はイギリス人で、二番目はイギリス人のお伴としてやってきたインド人や中国人、三番目はカレン族などの少数民族で、ミャンマーを支配していたビルマ人は最下層に置かれた(p111)


・スリランカ・・・イギリスは全島を一元化すると自分たちが連れてきた少数派のタミール人を重用した・・・少数派を優遇し、多数派を抑え込むというのは西欧の植民地でお決まりの統治法である(p106)


・現在のルワンダがあった地域は、最初ドイツが押さえていたが、第一次世界大戦後にはベルギーのものになった。ベルギーは、植民地支配の常套手段として部族の対立を煽った(p148)


教科書には載っていない!ワケありな紛争
武田 知弘
彩図社
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【私の評価】★★★☆☆(77点)


目次

序章 タリバンとは何者なのか?
第1章 絶望の中東アラブ編
第2章 血で塗られたアジア編
第3章 灼熱のアフリカ大陸編
第4章 激動のアメリカ、ヨーロッパ編



著者経歴

 武田 知弘(たけだ ともひろ)・・・1967年生まれ。大学中退後、塾講師、出版社勤務を経て、2000年からフリーライターとなる。裏ビジネス、歴史の秘密など著述活動を行っている。


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