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「ボロボロになった覇権国家(アメリカ)」北野 幸伯

2005/02/03公開 更新
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ボロボロになった覇権国家(アメリカ)


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー

 これだけ歴史の本や小説を読む私でも、学校での歴史の授業は嫌いでした。それは、歴史の授業といっても、単に過去にあったことを暗記し、年号を暗記するだけだったからです。本当は、どうして日本は戦争したのか、どうして日本は敗戦したのか、知っておく必要があるのに、試験で点数を取るためだけの教育が行われているのです。


・第二次大戦前、日本はアメリカの計画どおり、徐々に追い詰められ、包囲され、先制攻撃を行うように誘導されていきました(p215)


 そのような授業を受けるくらいなら司馬 遼太郎の文庫本を読んでいたほうが、ずっと楽しく、興味深く歴史を考えることができたのです。「歴史」は重要な知識ですが、それをどうとらえるのか、ということはそれ以上に重要なのです。


・この国がなんとか回っているのは、ドルが基軸通貨だから。他の通貨が基軸通貨になると、アメリカは間違いなく滅んでしまいます(p41)


 それは「現状」をどう認識するのか、ということでもあります。著者は卒業生の半分は外交官、半分はKGBというロシア外務省付属モスクワ国際関係大学を卒業し、カルムイキヤ自治共和国大統領顧問になりました。その国際関係の見方には、一見の価値があります。


・一方的な見方をしてはいけない。真実は立場によって異なるから、多角的な見方をするようにしなさい(プーチン大統領のブレーン)(p16)


 本のレベルとしては、メルマガ 『ロシア政治経済ジャーナル』の2倍面白いと思えばいいと思いますので、買うことを考えた人はメルマガのバックナンバーを参照してみてください。


この本で私が共感した名言

・アメリカは、理由があるから戦争をするのではない。戦争をしたいから理由を探すのである。(p31)


・日本は「独立国家」ではない。日本は「アメリカ幕府の天領」なのです(p213)


・日本はアメリカにとって、とても大切な国です。経済面では、日本からの資金が止まれば、アメリカ経済は明日にでも崩壊する・・・ですから、アメリカのいうことに100%反対したり100%聞いたりする必要はないということです(p248)


・アメリカ政府は、意図的に、アメリカ本土が攻撃される代わりに日本が攻撃されるように、軍を再編成している。(p254)


・国が自滅したり、衰退したりする主な理由は、「経済が破綻すること」なのです。もっと具体的に言うと、「財政が破綻する」(p52)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★★★(93点)


目次

まえがき 真実はどこにある?
第1章 ボロボロになったアメリカ―没落する覇権国家の綱渡り
第2章 ドルからユーロへ―ドル体制を脅かす独仏の戦略
第3章 中国の台頭―次の覇権国家を狙う"眠れる獅子"
第4章 オイル戦争―戦わずして勝つロシアの戦略
第5章 天領日本の未来―日本が真の独立を果たす日



著者経歴

 北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国


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