「勝てば官軍―成功の法則」藤田田
2005/01/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
藤田田と孫正義の出会い
1975年、日本マクドナルドを創業したばかりの藤田さんのところに、十六歳の青年が訪ねてきました。藤田さんは忙しいので断りますが、その青年は毎日訪ねてきます。その熱意に感心した藤田さんは、その青年に会ってみました。
その青年は、これからアメリカに行って勉強するつもりだが、何を勉強したらいいでしょうか?と聞くのです。藤田さんは、これからはコンピュータだからコンピュータだけ勉強してらっしゃいとアドバイスしています。その青年は、米国でコンピュータについて学び、帰国し、起業します。その青年の名は・・・・孫正義だったのです。
その青年は帰国後、ソフトバンクを立ち上げ、急成長していきます。私がこの本で感心したのは、藤田さんの時代の流れを見る目と行動力ですが、孫正義さんの人を見る目と行動力にも驚かされます。
わたしの家には、いたるところにメモ用紙と鉛筆がおいてある。(p64)
文化の差を輸入して儲ける
この本に書いてあることなんかは知っている!という人も多いはずです。しかし、実際にそれを実行している人がどれくらいいるのでしょうか。正しい考えと行動力が両輪となって成果となるのだな、と感じました。
もちろん出資者、経営者となれば、うまくいけば自分の利益ですが、損失が出ればすべて自分の損です。そうした自由主義経済の競争環境こそが、覚悟を持ち一生懸命努力する活力を生むと、著者は考えているのです。
わたしはいつもハラをくくっている・・・一所懸命やっているのだから、それでつぶされてもしょうがないと思いさだめている。そうなったら、もっているものをすべて投げ出せばよいのだ(p92)
時代の流れに乗って儲ける
この本で一点欠けているものがあるとすれば、これからは洋食になっていくという時代の流れに乗って儲けることはできたのでしょうが、日本人により良い食生活を提供するというような理念があったのか?ということでしょう。
天国で藤田田さんに聞いてみたいものです。日本に何らかの貢献したことで満足しているとすれば、それは何ですか?
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この本で私が共感した名言
・他社ももっと強くなってほしいと願っている。勝てば官軍的増上慢からではない。企業は自由競争あってこそ成長していくのである(p34)
・マクドナルドは自分でつくって、自分で売っているから間にミドルマンがいない。だから原価の二倍で売れるのだ(p27)
・現にわたしは、若いときから、・・・フランスやイタリアの物を輸入して儲けてきた。その「文化の差」を売って儲けてきたのである。(p134)
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 価格破壊は歴史の必然である(
第2章 デン・フジタの成功の法則
第3章 ビジネス成功の法則
第4章 規制緩和なき日本に明日はない
第5章 ビジネス・チャンスは無限にある
著者経歴
藤田田(ふじた でん)・・・1926(大正15)年、大阪生まれ。旧制北野中学、松江高校を経て、1951(昭和26)年、東京大学法学部卒業。在学中にGHQの通訳を務めたことがきっかけで「(株)藤田商店」を設立。学生起業家として輸入業を手がける。1971(昭和46)年、世界最大のハンバーガー・チェーンである米国マクドナルド社と50:50の出資比率で「日本マクドナルド(株)」を設立。同年7月、銀座三越1階に第1号店をオープン。日本中にハンバーガー旋風をまき起こす。過去2回、マクドナルド・コーポレーションのアドバイザリー・ディレクターを務めるなど、マクドナルドの世界戦略にも参画。1989(平成元)年、大店法規制緩和を旗印に米国の玩具小売業トイザラス社との合弁会社「日本トイザラス(株)」を設立し、全国展開した。また、世界一のネクタイ・スカーフ製造販売会社である英国タイラック社と提携し、全国店舗展開した。(―社)日本ハンバーグ・ハンバーガー協会初代会長。創立30年にあたる2001(平成13)年、日本マクドナルドは店頭株市場に株式公開を果たした。2004(平成16)年逝去(満78歳)。著書多数
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