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「儲けを生みだす表現力の魔法」平野秀典

2004/07/30公開 更新
本のソムリエ
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【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

 私は「どっちの料理ショー」という番組が大好きです。この番組は、2つの料理が紹介されて、7人のゲストが食べたい料理を多数決で決めるというものです。


 多数になったゲストは食べることができますが、少数派になったゲストは食べられません。料理の紹介では、ゲストに料理を売り込むために、あらゆる技術が使われているのですが、これを営業に活用したらどうなるのでしょうか。


・「戦略」の変わりに、「脚本」
 「戦術」の変わりに、「演出」
 「戦闘」の変わりに、「表現力」(p42)


 料理の紹介でまずやるのは「特選素材」の紹介です。普通の食材でも、こだわりの一品が飛び出します。


・あなたの売っている商品に「特選素材」または「こだわりの部分」はありませんか?(p116)


 次は、その料理の第一人者の紹介になります。第一人者だけあって、そこには、最高の料理を作るために努力したストーリーがあるので、それを紹介するのです。


・もちろん、ウソはいけませんが、できるだけ「ワクワク」する話を集めて物語を紡ぎだします。(p147)


 自社の商品を売り込むのも、料理を売り込むのも同じことですから、商品にも「どっちの料理ショー」の「よだれ」を流させる技術が活用できそうです。


 この本は、このような、いかに感動をお客様に伝えるか、商品をドラマティックに演出するかについての道具箱のようなものです。


 テレビ、作曲、映画、喫茶店、演劇、ホテル、落語、マジシャン、あらゆるジャンルからそのアイディアが紹介されています。まさに、この本は、感動プロデューサーからいただいた、「感動の道具箱」のような一冊でした。


この本で私が共感した名言

・サーストンの3原則(マジシャンたちがお客さんを最大限に喜ばせるために守っているルール)
 第1原則 現象を先に言わない
 第2原則 同じマジックを2度続けてやらない
 第3原則 タネを教えない(p68)


・伝わらなければ、どんなに知識があっても、それは存在しない(p34)


・ところで、役者は何に集中しているのか?「一貫性」です。(p132)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★★☆(84点)



著者経歴

 平野 秀典(ひらの ひでのり)・・・ドラマティックステージ代表。大学卒業後、舞台役者10年の経験から、演劇とマーケティングを融合させた「ドラマティックマーケティング」を開発。その結果、所属企業において驚異的な業績アップを果たす。独立後は、年間200回を超える講演、企業指導を行っている。


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