「泥棒国家の完成」ベンジャミン・フルフォード
2004/06/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
要約と感想レビュー
ロジカル・シンキングの勉強になる本です。事実と論理を組み合わせると、結論はどのようにも出せるという典型です。この本をどう読むかで読者の力量が分かると思います。試してみますか?
ガンというものは勝手に増殖して、主人を殺して自分も死んでしまう愚かな細胞ですが、日本にはガンがあります。それは官僚、政治家などの支配層、不良債権のヤクザ、マスコミだ、というのが著者の考えなのです。
・この国では、国民一般の勤勉さ、真面目さに比べて、政治家や官僚などの支配層の人々の卑しさは、あまりにも異常だ。彼らが一部の業界やヤクザと組んでこれまでやってきたのは、国民の税金を勝手に使って、「車が通らない高速道路」「観光客すら見向きもしない3つの巨大ブリッジ」「ただ水を貯めるだけに存在するダム」「野菜を運ぶためだけの地方空港」「誰も利用しない市町村ホール」などをつくることだけではなかったか?(p15)
また著者は、北朝鮮への不正送金の疑いがある朝銀信用組合への公的資金導入を批判しています。民族系金融機関への公的資金導入も数兆円となるというのですが、本当なのでしょうか。
確かに正しいことを書いています。でもそこから導き出される結論は大きく飛んでいます。ただ、事実かもと思わせるところは楽しく読みましょう。結論は歴史が示してくれるはずです。
この本で私が共感した名言
・もう自民党は公明党なしには存在できない。公明党は麻薬というか、アヘンだね(平沢勝栄)(p28)
<宗教が政党を持つことは、日本の将来にどのような影響を与えるのでしょうか?西欧では宗教が政治に口を出すことの悪影響が大きく、政教分離が基本となっています。日本はこの教訓から学ぶのか、それとも自分の歴史に学ぶのでしょうか>
・民主党の石井紘基議員の非業の死について、米国の指導的メディアは国粋右翼による政治的暗殺だと的確に報じた(霍見芳浩)(p34)
・ボクはバブルの最大の原因は、やはりまっ先に平和相互と住友の合併で、変なところに全部いっちゃったからだと思う。あながた言うように、融資の半分はヤクザにいってしまった。そして不良債権になった。それは間違ってない。だけどそんなものは、いまはほとんどないですよ(p98)
光文社
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)
目次
1 鉄壁の泥棒国家
2 官僚という泥棒
3 日本の泥棒システム
4 メディアも泥棒の味方
5 日本抜きアジア
6 最後の楽園
7 日は再び昇らない
著者経歴
ベンジャミン・フルフォード(Benjamin Fulford)・・・1961年カナダ生まれ。80年代に来日。上智大学比較文化学科を経て、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業。その後再来日し、日経ウィークリー記者、米経済誌「フォーブス」アジア太平洋支局長などを経て、現在はフリーランスジャーナリスト、ノンフィクション作家として活躍中
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