「「人望」の研究―西郷隆盛はなぜ人を魅きつけるのか?」童門冬二
2003/12/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
西郷隆盛に学ぶ「人望」の研究です。やはり日本人には「日本の心」がありますから、それを無視して、理詰めだけで対応しても限界があります。夏目漱石「草枕」の冒頭の「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」は、 うまく日本の心の難しさを表現しています。こういう日本の難しさを歴史に学ぶ本です。
つまり日本は理よりも情が重要な社会であって、単に頭が良い、言っていることが正しいからといってトップにはなりにくのです。つまり、ある程度の度量がなければ、組織全体の一体感を保つことができず、バラバラになってしまう恐れがある。動きは遅く、足を引っ張る人もいますが、その他大勢をまとめ上げることができる人が出世するべきなのでしょう。アマゾンにはないようですが、古本屋にあったらぜひ購入してみてください。
この本で私が共感した名言
・俺は自分の傷の痛さを知っている。だから人の傷の痛みもわかるんだ(山本周五郎)
・自分がやりたいことをやるためには、権力に接近しなければならない。あるいは、権力を自分の手に握らなければならない(大久保利通の考え方)
・騙すより、騙されろ(西郷隆盛)
・情報の集まる人間と、集まらない人間がいる。これは、情報を提供する側が相手をよく見るからだ。
・小人も程々の才芸があってたいへん便利な存在だ。用いなければならない。しかし、そうかといって、小人にたいへん重要なポストを与えれば、今度はその組織がひっくり返ってしまう。つまり小人の限界がある。そこを見誤ってはならない。だから、決してトップ層に用いてはならない(藤田東湖)
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
著者経歴
童門 冬二(どうもん ふゆじ)・・・1927年生まれ。東京都庁にて、課長、部長、広報室長、企画調整局長、政策室長等を経て退職。著書多数。
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