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官僚は人間のクズである「わが人生は闘争なり―松永安左エ門の世界」松坂直美

2002/07/24公開 更新
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「わが人生は闘争なり―松永安左エ門の世界」松永直美


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


要約と感想レビュー

自分の信念を持つ

自分の考えに自信をもてない自分がいます。部下の反対に引き下がる。上司の否定的な反応にあきらめる。自分の考えに真剣になる、命をかけるくらいの気持ちがなければ、話す自分に迫力はないし、その言葉には説得力もないのでしょう。全ては自分に原因があるのでした。


では、どうすれば松永安左エ門のように自分の信念を持ち、それを強く打ち出すことができるのでしょうか。そのためには、強い信念を持つだけの経験と勉強が必要なのでしょう。自説に執着してもそれを実現できるわけではありませんが、正しい自説を持ち、それを実現する人間力を持ちたいものです。


会社の経営に当たるものは年二十年先のことを常に考えておくことだ。これ位の見通しが出来ない者は実業家として失格だ。そんな男には大切な会社をまかせるわけにはいかない。会社は何百、何千という社員が安心して仕事の出来るようにすることが経営者の心構えである。

官僚は人間のクズである

この本で一番興味深いのは、「官僚は人間のクズである」という長崎商工会議所主催の座談会での発言でしょう。でも実は、話の流れは、「産業の振興などと官僚はいうが、それをなしとげるのは官僚でなく、皆さんなのだ。皆さんの自主発奮と努力、それなくして何ができるか。ましてや、官庁になるなど、もってのほかだ。官僚は人間のクズである。この了見を改めないかぎり、日本の発展は望めない!」と、民間の努力と奮起を促しているのです。


官僚がクズなのではなく、官僚という仕組みが人間をクズに変えてしまうのです。東京電力は官僚以上に官僚的と言われ、外部電源の変電所を1個にして福島第一原子力発電所の炉心溶融事故を起こしてしまいました。


松永安左エ門は資本主義について、「資本主義はつねに攻撃を加えられることにより生気を取りもどす、攻撃のないところには競争は生じないし、繁栄は生じない」と競争は必要悪であるとしています。現場で叩き上げた経営者の視点に驚愕しました。


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この本で私が共感したところ

・真に偉いということは、多くの人に喜ばれる仕事をすること


・民衆の幸せを考えないようでは政治家でも実業家でもない


・やると決心したら断乎としてやれ


▼引用は、この本からです
「わが人生は闘争なり―松永安左エ門の世界」松永直美


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


目次

安左エ門(亀之助)誕生
壱岐の島
むしろ一枚から酒造業となる
父二代目安左エ門
五歳から四書の素読
「学問のすすめ」で開眼
初恋の思い出
慶應義塾に入学
福沢先生との出会い
アメリカ留学を夢みる
父の死
安左エ門を襲名
慶応に復学
学生自治会代表となる
慶応を退学する
日本銀行に入社
丸三商店神戸支店長
福松商会の誕生
始めての金儲け
山下亀三郎との出会い
藤本清兵衛に見込まれる
談合破りで売出す
見染められた一子夫人
こりゃ天佑だ
株に手を出し失敗
晴耕雨読の生活
ガスコークスの元祖
東洋皮革に乗り込む
福岡に電車を走らせる
電気事業に乗出す
今日の仕事は必ず今日やれ
郷里壱岐の島に電灯を
ガス会社十社を合同し社長となる
代議士に当選
パリ講和会議に出席
東邦電力の誕生
登山家松永安左エ門
電力戦国時代
鉄道省に食い込む
東京電灯攻略戦
約束は必ず実行せよ
日本の電力王となる
茶人耳庵
全財産を国に寄付する
審議会会長となる
ポツダム政令の発動
公共事業委員となる
九電力会社成立
電気の鬼
「歴史の研究」邦訳出版権を獲得する
「産業計画会議」を主催し国に勧告
第1次~14次勧告
巨星墜つ



著者経歴

松坂直美(まつざか なおみ)・・・1901年生まれ。松永翁の生家の隣村芦辺町深江にて青少年期を送る。1933年以降、文筆一筋の生活に徹す。作詞家、日本詩人連盟副会長、日本訳詩家協会理事長、雪州会(在京壱岐人会副会長)。著書には児童劇集「おばけ地蔵」、少女小説集「嵐に花は散らず」、詩リーフレット「花信」など。


松永安左エ門(まつなが やすざえもん)・・・1875年-1971年。東邦電力社長。戦後は政府の電気事業再編成審議会会長に就任し、九電力体制の枠組みを推進。「電力の鬼」と言われる。電力中央研究所を設立。


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