「朝日新聞血風録」稲垣 武

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朝日新聞血風録

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■50歳で朝日新聞社を退社した
 稲垣さんの一冊です。


 1991年発行ですので、
 25年前の本ですね。


 中国、北朝鮮よりの報道が続く
 朝日新聞ですが、
 その原因は、社長の威を借る
 中国シンパが社内を
 牛耳っているためだったようです。


 現在も同じような
 構造なのでしょうか。


・中国ロビーじみた記者の一部は、
 あたかも広岡社長の意を受けて動いているかに装い、
 彼らを直接的に監督しその行動を掣肘(せいちゅう)
 しなければならぬ立場の編集局長、局次長、
 部長クラスまでが、それを敢えてすれば社長の怒りを
 買うのではないかとの疑心暗鬼に駆られて、
 放置しておいたというのが真相だろう(p44)


■慰安婦や教科書検定や南京事件といった
 誤報を続けてきた背景は、
 チェックが甘いことが原因のようです。


 持ち込まれた情報の背景を確認せず、
 関係者への確認もせず、
 報道してしまっている。


 意図的なのか、単に能力がないのか
 わかりませんが、
 マスコミとはどこも
 こんなものなのでしょうか。 


・毒ガス偽写真事件・・専門家に聞けば、
 すぐガセネタだと分かった筈だ。・・・
 「確認を怠った」というほうが正確だろう・・
 それに、日中戦争に関する売り込みネタには、
 怪しげなものがあることは、
 この誤報事件の僅か四カ月足らず前の
 「南京大虐殺実証写真事件」で
 分かっていた筈ではないか(p163)


■朝日新聞の中にも、こうした
 偏向報道に反対の人もいたようです。


 そうした人は左遷されるか、
 子会社に出向となるようです。


 稲垣さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・秋岡特派員は当時の広岡社長の信任
 きわめて篤く、中国情勢や中国関係の
 ニュースの扱いについて、直接の上司である
 外報部長や編集局長を飛び越えて
 広岡社長とホットラインで話をしている
 という噂が専らだったから、
 その威光を恐れてか、公然と真正面から
 反論したり意見を言った人がいたという話は
 聞いたことがなかった(p22)


・秋岡氏はこう言った。
 「この記事の内容が正しいかどうかは問わない・・
  中国側は激怒してわが社の特派員を追放する
  強硬措置に出る恐れがある」・・
 「この前、朝日ジャーナルが問題になったときも、
 北京の新聞司の担当者は件の号を
 私の目の前で机に叩きつけた・・
 本体の新聞に迷惑がかかる。
 その責任をどう取るのか」(p38)


・有能な人材でも村山派の烙印を押されたが最後、
 次長クラスに至るまで子会社に出向させられるか、
 閑職に追いやられた。主流である広岡社長派に
 忠勤を誓わなければ地位の保全もおぼつかない
 という状況は、さまざまな疑心暗鬼を生み、
 真贋とりまぜた情報が飛びかい、管理職は
 その情報に右往左往するありさま・・(p46)


・共産党はまだ過去の過ちを認めるだけましである。
 朝日新聞はそれすらまともに認めようとせず、
 現在の過ちについてして指摘されても
 教科書検定誤報事件のように文部省の
 検定姿勢の故にするなど他に責任を転嫁したり、
 毒ガス写真事件の際に佐竹学芸部長が
 言ったように「中国戦線で旧陸軍が毒ガスを
 使用したという事実は動きません」と、
 写真の真偽から問題をすり替えたりして
 誤魔化そうとする(p171)


・朝日新聞に限らず日本の新聞は、
 農村に茅葺屋根の農家があると、
 「南」の場合は「貧困の象徴」となり、
 「北」の場合は「民族の伝統の尊重」となる(p177)


・84年6月6日付の特集で、岩垂氏は、
 「社会主義国の農業はおしなべて不振だが、
  その中にあって北朝鮮は農業がうまくいっている国、
  というのがわが国の北朝鮮研究者の一般的な見方」
 と書いている。しかし農業がうまくいっている国で
 なぜ主要食糧品が配給制が実施されているのか(p185)


・データと論理に基づく冷徹な分析を避けて、
 情緒過多の紙面づくり・・なぜ新聞が
 そういう紙面づくりをするのか、
 先輩や上司に問い糺したことがある。
 そのときの答えは「新聞とは所詮
 そういうものだ。総合雑誌ではないのだから
 難しい議論を載せても売れない」
 というのが平均的だった(p206)


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【私の評価】★★★☆☆(71点)



■目次

第1部 中国報道への弾圧
第2部 ソ連報道の奇怪さ
第3部 塗りつぶされた「戦争協力研究」
第4部 「風にそよぐ葦」たちの迎合病


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