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「統計学が最強の学問である」西内 啓

2013/04/26公開 更新
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統計学が最強の学問である


【私の評価】★★★★☆(81点)


要約と感想レビュー

 「日本人には統計の考え方が必要!」という一冊です。よく、「PDCA(計画→実行→評価→改善)が大切」と言われますが、では、「仕事で統計的な評価を行っているのか?」「政府は政策の統計的な評価をしたことがあるのか?」と考えるとほとんどやっていないのです。


 PR施設に年間10万人の人が来場するとしましょう。PR効果を高めるために来場者にアンケートを取るとします。全員に頼むのか、それともサンプリングするのか。サンプリングするなら何人に、どのように頼むのか。こうした判断に統計的なセンスが求められるのです。


 例えば10万人の母数に対してサンプル数が100名分ならば、その標準誤差は4.6%にもなり、サンプル数が1000名いれば標準誤差は1.4%となり、仮に「母数に占める女性の割合が70%」という結果が得られているとすれば、女性の割合は67%~73%と考えればよいことになるのです。


・判断や行動に影響しないレベルの精度は無意味で、そのためにかけなければいけないコストはムダだ。(p47)


 また、テレビでは政治家やテレビのコメンテーターが「これ問題だ」と発言したり、「頑張った人が報われる社会」といった抽象的な主張をすることが多いのですが、失業やワーキングプアーといった雇用問題について、どのようなデータによって主張しているのか話す人が少ないのは残念なことです。


 仕事をするうえでも統計の知識が必須だと思いました。ただ、義務教育では、統計学は教えません。なら、自分で学ぶしかないな、と感じさせてくれる一冊だと思いました。西内さん、 良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・タバコを吸えば肺がんをはじめとしたがんになるリスクが上昇・・血圧が高ければ心臓病や脳卒中になるリスクが高まる・・・50年ほど前に、アメリカのフラミンガムという田舎町で行われた大規模な疫学研究の結果が公表されるまではまったく明らかではなかった(p15)


・「DMを増やせば売上があがる」・・・さらに踏み込んで「DMを送られることで売上が伸びる顧客と伸びない顧客の違い」、あるいは「顧客の売上を伸ばすDMと伸ばさないDMの違い」とその判別ルールを明らかにした(p78)


・「意味のある偏り」なのか、それとも「誤差でもこれぐらいの差は生じるのか」といったことを確かめる解析手法に「カイ二乗検定」というものがある(p84)


▼引用は下記の書籍からです。
統計学が最強の学問である
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西内 啓
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(81点)


目次

第1章 なぜ統計学が最強の学問なのか?
第2章 サンプリングが情報コストを激減させる
第3章 誤差と因果関係が統計学のキモである
第4章 「ランダム化」という最強の武器
第5章 ランダム化ができなかったらどうするか?
第6章 統計家たちの仁義なき戦い
終 章 巨人の肩に立つ方法



著者経歴

 西内啓(にしうち ひろむ)・・・統計家。1981年、兵庫県生まれ。東京大学医学部卒。東京大学大学院医学系研究科助教、大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長、ハーバードがん研究センター客員研究員を経て、現在は、分析サービスを提供する株式会社データビークル取締役


統計関連書籍

統計数字を疑う~なぜ実感とズレるのか?」門倉 貴史
仕事に役立つ統計学の教え」 斎藤広達
統計学が最強の学問である」西内 啓


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