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「「捜査本部」というすごい仕組み」澤井 康生

2013/04/13公開 更新
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「捜査本部」というすごい仕組み (マイナビ新書)


【私の評価】★★☆☆☆(68点)


要約と感想レビュー

警察組織については、テレビドラマのイメージしかありませんが、実際はどうなっているのでしょうか。民間企業で言えば、警察本部(東京都は警視庁)は本社、所轄警察署は支店という感じです。人事異動もふつうの企業のように行われていますので、本部と所轄との対立はありません。


・本部捜査員も所轄捜査員ももともと現場のノンキャリア警察官であり、同じ人種だからです。現場の警察官も人事異動で本部と所轄の間を行ったり来たりする・・(p79)


そして、キャリアはお飾り的な調整役で、実務はノンキャリが処理するところも、大きな企業と似ていると感じます。事件が起これば捜査本部が所轄に置かれます。これは企業でいえば、専任の人を配置したワーキンググループ、タスクフォースといったものです。人脈が広く調整の得意なキャリアと実務に強いノンキャリが協力して、犯人逮捕に向かうのです。


・操作方針は非常に重要ですので捜査一課のベテラン管理官や係長あたりが立案します。「踊る大捜査線」ではキャリア官僚の室井管理官らがすべての捜査方針を立案して捜査指揮しているイメージがありますが、実際はキャリア官僚にそんな能力はありません(p76)


当たり前ですが、警察も日本人から構成された一つの組織なのだとわかりました。みんなその仕組みの中で一生懸命やっているということです。警察のみなさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・警視庁内には特殊部隊として刑事部のSITと警備部のSATがあります・・・SITは、誘拐事件や人質立てこもり事件、企業恐喝事件、業務上過失事件などの特殊犯罪を担当しています・・・SATは「Special Assault Team」の略で特殊急襲部隊、対テロ特殊部隊と呼ばれ、警視庁警備部警備第一課に所属する警備公安警察の特殊部隊です(p39)


・刑事ドラマなどでは逮捕の時に必ず手錠をかけますが、実際には手錠をかけないことの方が多いです・・・暴れる被疑者などの暴行を制圧するためのものです(p54)


・現場からのたたき上げ警察官には刑事部、公安部のそれぞれのプロフェッショナルとしての誇り、自信があるため、どうしても縄張り意識が強くなり、捜査情報をわざと流さないなどの弊害が起きる可能性があります。(p123)


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【私の評価】★★☆☆☆(68点)


目次

第一章 警察に関する基本知識
第二章 これが捜査のマニュアルだ!
第三章 「捜査本部」というすごい仕組み
第四章 優秀な捜査官を育成する警察学校の仕組み
第五章 仲が悪い刑事部と公安部
第六章 現場の力を最大限に発揮させるために
第七章 もっと強い警察を目指せ!



著者経歴

澤井康生(さわい やすお)・・・1971年11月9日生まれ、早稲田大学政治経済学部卒。警察庁入庁後は生活安全局等において法令の制定・改廃、警察行政の企画・立案業務に携わる。警視庁出向時は地下鉄サリン事件をはじめとする一連のオウム真理教事件や殺人事件、放火事件、広域窃盗事件等の捜査に従事。警察庁退官後、旧司法試験に合格し、司法修習生を経て、東京弁護士会に弁護士登録。その後は弁護士として活躍するとともに早稲田大学大学院ファイナンス研究科に入学し、ファイナンスMBAも取得。現在は東京新生法律事務所にて一般民事事件、家事事件、企業法務、刑事事件等を幅広く手がけるとともに非常勤裁判官も兼任。


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