【私の評価】★★★★☆(85点)
■父と母は10歳のときに離婚した。
母は、ピアノを弾いていた。
高校三年の鳴海は
オルガン部に入り、
文化祭でコンサートを
することになる。
思いもせず、
母が弾いていた
メシアンを弾くことにした。
・母が残していったメシアンのレコードは、
全部聴いていた。譜面を見て、弾こうともしてみた。
俺はメシアンという作曲家が好きなのか
嫌いなのかすら、よくわからない。(p42)
■メシアンの曲は、非常に難しい。
母親のメシアンを思い出しながら、
とりあえず弾けるのだが、
何かがたりない。
結局、文化祭は、
ロックの好きな友達と
逃げ出してしまった。
コンサートから逃げただけでなく、
すべてから逃げたかったのかもしれない。
・俺のメシアン?俺の音?・・・
結局、よくわからない。
そもそも、"俺のメシアン"なんてものを
弾きたいのかどうかすら。
ただ、今の状態には納得できない。
我慢できない。何度も何度も弾いていけば、
何かが見えてくるのだろうか。(p91)
■まじめな牧師の父と、
父を裏切った母。
ピアノと同級生との恋。
主人公の心がよく描かれていると
思いました。
牧師の父が、自分に似ているような
気がするのが、
ちょっと気になりましたが。
よい本だと思います。
佐藤さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・悪くはないんだ。
俺なんか、こんなものんだとも思うし。
でもなあ、もやもやする。
イライラする。
そして、思い出す。
思い出そうとする。
母の弾くメシアンを。(p78)
・「あの子は何十年と生きてきて、私に一度も叱られた
ことがないんだよ。悪さなんて考えつきもしないんだろうね。
めったにいないよ、あんな子は。優しくて。正しくて。
優しくて。優しくて」父のことだ。
祖母は涙ぐんでいた。(p155)
・うらやましい。
祖母のような母親のいる父がうらやましかった。
俺は俺のために泣いてくれる母親はいない。
俺の母は、自分のために泣く女だった。(p158)
・「なぜ怒らないのかとよく言われた。
あなたは怒っているはずなのに、私を怒らない。
神様が私を許すはずだから、自分も許さなければいけないと
思っている。人間のくせに神様を気取っている」(p165)
【私の評価】★★★★☆(85点)
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